新卒の新入社員の離職率は、相変わらず高止まりしています。

厚生労働省のデータ

大卒の新入社員の離職率:

  • 1年以内: 11.8%(27年3月卒の新人の1年以内の離職)
  • 2年以内: 22.8%(26年卒の新人の2年以内の離職率)
  • 3年以内: 31.9%(25年卒の新人の3年以内の離職率)

(ちなみに短大卒、高卒の場合、更に離職率は5%以上高い状況)

そして現在の売り手市場の若手社員は、就活氷河期時代の社員とは異なり、
「辞めても次の職が見つかりやすい」という環境があります。
そのため、これまで以上に離職率は悪化する可能性があります。

せっかく大金をかけて新卒採用を行っても、
育成コストを回収する前に辞められてしまう――
これは企業にとって大きな損失です。

「穴の空いたバケツ」現象

慢性的人手不足の時代、採用活動と同時に離職率改善にも取り組まなければいけません。
「穴の空いたバケツ」にどれだけ水(新人)を注いでも、満たされることはないからです。

離職率が低い企業は「全社一丸の意識改革」を行っている

3年以内に3人に1人が辞めると言われる中、
一方で「採用した新卒がほとんど辞めない会社」も存在します。

こうした会社に共通する特徴は、
離職理由の原因を全社で潰しにいく姿勢です。

以下の図は、厚生労働省が
「新卒で入った会社を辞めた人」へ退職理由を調査したデータです。

(本来グラフが入る位置)

3年以内離職の主要4要因

離職要因 内容 対応が必要な部門
仕事のミスマッチ 仕事が自分に合わない 人事・現場・新入社員
人間関係 上司・同僚との関係が悪い 管理職・先輩社員
賃金 給与が低い、不公平 経営層・人事
労働条件 残業が多い、休みが少ない 経営層・人事

これら4つは、人事だけの努力では解決できない大きなテーマです。

離職率改善に必要な「3つの意識改革(3レイヤー)」

実際、新卒が辞めない会社では、

  • 新入社員
  • 管理職・先輩社員
  • 経営層・人事

という3層それぞれに意識改革を行うことで成果を上げています。

3レイヤー別の意識改革内容

対象レイヤー 意識改革のテーマ 主な対応内容 効果
新入社員 学生→社会人への意識転換 仕事の意義、人間関係構築、逆境への対処 「仕事のミスマッチ」「人間関係」離職を削減
管理職・先輩 育成する側のマインドセット 指導方法、信頼構築、タイプ別対応、職場環境 「人間関係」トラブル大幅改善
経営層・人事 働きがいのある会社づくり 賃金制度、労働条件、制度設計 「賃金」「労働条件」不満を解消

① 新入社員に対する意識改革

新入社員が学ぶべき4つのテーマ

  • 「人生における仕事とは?」
  • 「これから取り組む職種の重要性」
  • 「人間関係を構築する責任」
  • 「仕事は逆境が付き物であり、レジリエンスが必要」

など、学生から社会人への意識転換を行うことで、
特に「仕事が自分に合わない」「人間関係」による離職を大幅に減らしています。

詳細はこちら

(新人に対する意識改革の詳細はコチラ)

② 管理者層・先輩社員に対する意識改革

新人だけの意識改革では効果は限定的です。
現場側も変わらなければ定着は進みません。

新人が辞めない会社では、管理職・先輩社員に対して

管理職が学ぶべき4つのテーマ

  • なぜ部下を指導する必要があるのか
  • どんな上司が信頼されるのか
  • 自分と異なるタイプの部下への接し方
  • 働きやすい職場環境づくり

といった「育成する側のマインドセット」を徹底します。

成果

結果として、最大の離職理由である
人間関係トラブルが大きく改善しています。

詳細はこちら

(管理者層の意識改革の詳細はコチラ)

③ 経営層に対する意識改革

賃金・労働条件は現場レベルではどうにもできません。
経営層が本気で変わることが必要です。

経営層が認識すべき3つのポイント

  • 「これから10年は慢性的人手不足の時代」
  • 「働きがいのある会社作りが競争力を生む」
  • 「離職コストが経営に与える影響」

といった認識を基に、
賃金・労働条件・制度設計の改革を進めていく必要があります。

あなたの会社で最優先すべき意識改革はどこか?

3つのレイヤーは以下の通りです。

レイヤー1

新入社員本人の意識改革

学生→社会人への意識転換

効果: 「仕事のミスマッチ」「人間関係」離職の削減

レイヤー2

管理職・先輩社員の意識改革

育成する側のマインドセット強化

効果: 「人間関係」トラブルの大幅改善

レイヤー3

経営層・人事の意識改革

働きがいのある会社づくりへの投資

効果: 「賃金」「労働条件」不満の解消

診断してみましょう

どこに課題があるのか?
どこから改革するのが最も効果的か?
ぜひ一度整理してみてください。

まとめ

新入社員の離職率を下げるには、全社的な意識改革が不可欠です。

  • 新入社員: 社会人としての意識転換
  • 管理職・先輩社員: 育成する側のマインドセット
  • 経営層・人事: 働きがいのある会社づくり

この3層すべてにアプローチすることで、離職率は確実に改善します。

まずは、あなたの会社で最も優先すべきレイヤーはどこか、診断することから始めてみてください。