1. 導入:組織が「死」に向かう時、何がとどめを刺すのか
創業から10年。がむしゃらに走り続け、ようやく会社らしくなってきた。そんな矢先に、組織がバラバラと崩れ始めることがあります。多くの社長は「売上が下がったからだ」と起きた出来事のせいにしますが、本当の理由は違います。トラブルそのものが組織を殺すのではなく、直面した時の「社長の暗い顔」と「余裕のない言葉」が、組織に毒を盛り、とどめを刺すのです。
2. 実録:組織を焼き尽くす「崩壊の5大ドミノ」
組織が潰れる時は、突然ではありません。以下の「5つのドミノ」が順番に、そして確実に倒れていくのです。
- 【第1のドミノ:外部からの衝撃】 資金繰りの悪化、大口顧客の解約、深刻な品質不良やクレームなどの「外傷」。
- 【第2のドミノ:社長の変調(起点)】 ストレスで笑顔が消え、顔は険しくなり、言葉はトゲだらけになる。社長の「心の余裕」が消えた瞬間に倒れます。
- 【第3のドミノ:社風の汚染と生産性の急落】 「この会社、大丈夫か?」と不安が蔓延し、笑顔も挨拶もないオフィスに。メンバー間のトラブルが増え、生産性も目に見えて低下します。
- 【第4のドミノ:人間関係の瓦解と離職の連鎖】 陰口が始まり、部門間の協力が消失。優秀な者から順に「離職者」が増え始めます。
- 【第5のドミノ:致命的な裏切りと組織の消滅】 「この船はもう沈む」と判断した幹部やエース社員が、顧客や部下を引き連れて去り、組織がもぬけの殻になります。
3. 【事例1】自力で抱え込み、悲劇を招いたA社長の末路
精密部品加工のA社長は、大規模な製品欠陥による損害賠償でパニックに。「自分がなんとかしなければ」と暗い顔で事務所にこもり、社員を怒鳴り散らしました。それを見たナンバー2の専務は「共倒れになる」と判断し、主要な職人を引き連れて競合他社として独立。「社長の余裕のなさ」が、一番信じていた右腕を追い出してしまったのです。
4. 【事例2】どん底で「笑顔」を取り戻し、再生を果たしたB社長の逆転劇
資金ショート寸前のB社長は、エグゼクティブコーチングで「あなたが一番暗い顔をしている。幽霊船に誰が乗りたいですか?」と指摘され、翌朝から無理にでも「最高の笑顔」で接することに。社長が明るさを取り戻したことで社員の不安は消え、現場から前向きな案が続出し、大口受注を成功させV字回復を果たしました。組織崩壊は「社長の表情一つ」で食い止められるのです。
5. 崩壊を未然に防ぐための「3つの防波堤」
ドミノを止め、経営者が今すぐ築くべき「3つの防波堤」を具体的に解説します。
組織崩壊を止める3つの防波堤
- ① 経営者のレジリエンス(折れない心)を確保する: 社長が本音を吐き出せる「社外の軍師(エグゼクティブコーチ)」を持ってください。利害関係のない第三者に不安を吐き出し、心を整えることで、現場で「どっしりとした笑顔」を保てるようになります。
- ② 役割とルールの明文化: A4用紙1枚でいいので、各ポストの責任範囲を書いてください。仕組みがあれば、社長の顔色が多少曇っても、現場は迷わず自分のやるべきことに集中して動き続けることができます。
- ③ 共通言語「UPシステム」による客観化: 危機下での叱責を「個人攻撃」にさせないために、UPシステムを導入します。「今の言い方はタイプの特性だ」と客観視できれば、パニック時の感情的な衝突を回避できます。
6. 結び:社長が笑えば、組織は何度でも立ち上がれる
組織崩壊は「社長の心の中」から始まります。業績が悪かろうが、トラブルが起きようが、社長が前を向いて笑っている限り、その組織は死にません。手遅れになる前に、まずは自分自身の心を整えること。レジリエンス研修やコーチングは、会社を守るための「最強の保険」なのです。