起業・独立される際、最低押さえておくべき10の事柄
私がよく起業を起こそうとする方に、「これだけは起業を起こす前に準備しておいた方がよいこと」としてアドバイスしている10の事柄をまとめています。
1. メシを食うだけの仕事は、在職中に確保しておく
起業を起こした際に、いきなり売上ゼロからスタートするのは厳しいものです。土日、祝日、就業後のプライベートタイム(建前としては)を使って、まず、顧客を獲得しておき、メシを食うだけの売上見込みが立った時点で、はじめて、起業を起こしていった方がいいと思います。
よく、「自分は今までのお客様がいるので、起業を起こした後も、大丈夫!」と言われ、そのような活動をせず、起業する人がいます。そんな人に限って、いざ起業すると、お客様は誰もついてこないというケースが多いのです。お客様は、「人についているのではなく、会社」についている場合が多いモノです。
とりあえず、メシを食うだけの仕事が確保された状況が作れれば、安心して、その後の事業拡大活動に集中できます。
もし、それが起業前にできないのであれば、まだ準備不足という事。もう少しタイミングを伸ばす必要があるのでしょう。
2. 営業力だけは、「自信が持てるレベル」まで磨いておく
よく資格をとればすぐに起業できると思っている人がいたりします。それは、特にこれからの時代は危険。
以前働いていたコンサルティング会社で、「世の中で最も役立つ資格は何か?」と上司から質問された事がありました。答えは、「営業力」だというのです。そう聞いたとき、「はぁ??」と思いました。
『医者や弁護士、公認会計士など、一流の資格でも一生、食べれるかどうかを保証してくれるものではない。そのような資格も営業力があってはじめて、生きてくるモノだ。逆に、営業力があれば、そのような資格がなくても、絶対に食っていける。だから、一生食っていく為の資格として、営業力を身につけた方がいいよ』という意味のアドバイスでした。
20年くらい前、そのような3大資格があれば、食っていけるという迷信に近いモノが信じられていた時代でしたから、「そんなアホな!」と思って聞いていました。しかし今にして、この言葉は「なるほどなぁ」と思える部分があります。
3. 数字に強いブレーン、専門家を作っておく
よく、起業する人で営業力や技術はあるのだけど、財務は全然ダメという人がいます。これは、さすがに危険。
起業すると、黒字でも資金繰りが回らなくなり、黒字倒産なども起こってきます。そのような人は、絶対に数字に強い専門家をブレーンに持つ必要があります。多くは、税理士さんや公認会計士さんも、頼れる方とそうでない方がおられます。十分な比較検討を行い、確かな専門家をブレーンに持ちましょう。
税理士さんによっては、そのような起業家をサポートする安い顧問料で、記帳代行までしてくれる方もいたりします。数字に弱い方は、そのような税理士さんをブレーンにして、自分は営業や技術の仕事に専念するという体制作りも重要になります。
4. 冷静な現状分析を行っておく
「仕事とは、世間に空いている穴をうめるようなもの」と養老猛さんの話。まさに、そうだと思う。起業するビジネスは、「世間に空いている穴」を埋める仕事なのでしょうか?すでに、誰かが埋めてしまっているようなビジネスだとすれば、あまり発展性はありません。
しっかりSWOT分析や事業ドメイン分析、3C分析などを行って、現状をまずしっかり分析してみましょう。
起業するとき、どうしても人は熱病にうなされているような状況になります。冷静さが欠けてしまうのです。事業は、社会から受け入れられて、社会に役に立ってこそ、はじめて成立していきます。その部分を一度、冷静になって見極める必要があると思います。
5. 数値目標実現の為の行動計画力を身につける
数値目標が作れるのは、当たり前でしょう。問題は、数値を実現する為に、日々、何を行動していけばその数値は達成できるのかという行動目標を洗い出す能力が起業を起こす際には大事になります。
「○○をしろ」と命令する人は誰もいないのです。「○○をする」という行動は、自分で考えるしかないのです。そして、適切な行動目標を考える事ができずに、的はずれな行動ばかりで時間が過ぎてしまって失敗する起業家も実に多いのです。
時間は限られています。限られた時間を効果的に使う為の、「数値目標実現の為の行動計画立案力」をサラリーマン時代に身につけておきましょう。
6. 何の為にビジネスを起こすのかを整理しておく
いわゆる、経営理念という奴ですね。「何の為にビジネスを起こすのか?」と聞かれると、「カネ」の為と答えられる人も多いかと思います。当然です。しかし、「カネ」だけの為では、長い間、ビジネスを続けるのが難しい。(短期間の成功なら納める事ができるのかもしれませんが)
やはり、他人の為、社会の為に役立ってこそ、ビジネスは周りの方々に支持されていくことになります。事業開始時に、この事をしっかり考えていたほうが、自分のモチベーションの為にも大事になってきます。
起業後に、必ずたくさんの試練が訪れるでしょう。その際に、この考え方が、あなたのモチベーションをかき立ててくれると思いますから・・
7.. 極力、固定費を抑える形でスタートする
起業したばかりの時は、売上を上げるのが、しんどいものです。カンタンなのは、お金を使わない事。
特に、毎月、確実に発生してしまう家賃や水道光熱費、人件費等の固定費は、極力抑えていた方が無難。(もちろん、イメージ産業的なものであれば、一流の場所、一流の建物を使わないといけないでしょうが・・)
起業して数年間って、見栄を張りたがります。見栄の為の固定費の為に潰れる人も大勢言いますので・・
見栄をはるなら、しっかりとしたブランド戦略を作りましょう。
8. SNSをベースにブランドイメージ確立と人的ネットワークを作っておく
最近、感じるのがコレ。私が起業した際はインターネットがなかった時代でしたが、今、起業する人であれば、これを使わない手はないでしょう。
ブログを通して、たくさんの人とネットワークを構築する。Twitter、フェィスブック、ブログ等を通して、ネットの人脈、リアルの人脈を構築していけます。
またSNSを通して、あなたのブランドイメージを築く事もできます。例えば「釣りの専門家」というブランディングを起業前に構築できれば、あなたが釣りショップで起業した際にに大いに役立つでしょう。
この作業をしっかり、起業時前にやっておいた方がいいと思いますね。
9. ホントに惚れる商品を選ぶ
起業時の商品を、意外に「いい加減」に決めている人が多いモノです。
しっかりした、競合分析もしないまま、特に自分が好きなわけでもなく、単に「売れそう」という感覚だけで商品を選んでいる人がいたりします。
少なくとも、自分の商品について半日は人に話せるくらい、その商品に惚れ込んでいなければ、その商品を広げる事ができません。どれだけ、あなたがその商品に惚れ込んでいるかが、周りの人をどれだけ巻き込むことができるかにつながっていきます。
10. できれば半年(最低3ヶ月)は、売上がほとんどなくてもメシが食えるだけの資金調達は行っておく
ギリギリの資金でスタートすると、ちょっとのつまずきで焦ってきてしまいます。焦りが、モラルを欠いたビジネスを生んだり、空回りを招いたりします。特に、ビジネスをはじめて半年はただでも焦るモノ。
だからこそ、しっかりした資金的な裏付けが必要になります。資金調達は、多めに、最悪を見通して準備をしておくことが大事になりますね。
プラスアルファを2つ
1 .商工会議所の創業支援部門を訪ねる
起業前には手続き、提出資料等分からない事が多いモノです。その際、商工会議所さんは非常に親切にいろんな事を教えてくれます。会費もわずかですので、いろんな本を読んで勉強するより、商工会議所さんに行って、訪ねた方が早かったりします。オススメですね。
2. 弊社に相談してみる
弊社はベンチャー企業。起業家をサポートする為にエグゼクティブコーチングサービスを開始しました。独立を決めたら、お気軽にご相談ください。