元旦の計がうまくいかない人達から学ぶ 行動力を高めるヒント

あなたは行動力のあるタイプでしょうか?
行動力とは、「やると決めたこと」は納期までに必ずやり抜く力のことです。

 

行動力のある、なしも個性の一つです。
とは言え、ビジネスの世界では「自分の行動力がないのは、性格からくる個性だから仕方ない」で済まされません。
「行動力」が不要な仕事など存在しないからです。

 

ではどのようにして行動力は高めていけばいいのでしょうか?
方法はいくつかあります。
今回は正月ですので、「元旦の計がうまくいかない人達」からそのヒントを探していきましょう。

 

 

「1年の計は元旦にあり」という言葉があるように、正月休みの間に目標を作った方も多いのではないでしょうか?

 

私は1月2月までの間に、多くの社長さん達、人事の責任者の方々と新年会でお会いするのですが、その際に一つ質問をしてみます。
「元旦に作った計画は、結果は別にして順調に実行されていますか?」
さすがにまだ1月ですので「全く実行できていません。」という方はいませんが、多くの方が「実行できていますが、100%というわけではないですね。」等と言われます。
それが半年経って同じ質問をすると「恥ずかしながら、ほとんど実行できてません。何かと忙しくて」などと言われる方が8割程度になってきます。

 

 

なぜ「元旦に決意した決意」は実行されないのでしょうか?
その鍵は、そもそもなぜ多くの人は「元旦」に計画を作りたがるのか?にあります。

 

 

 

①「人は目標や計画を新たに作ろう」 とする場合の多くは、「今の状態から、新たに立ち上がろう!(抜けだそう)」ことが動機となります。
元旦に作る目標とは、「2015年の思うようにいかなかった状況から、2016年こそ素晴らしい1年にするぞ!」という決意です。
実は、この「決意」がくせ者。
「決意」をすることで、「2015年の数多くの挫折によって生まれたモヤモヤが吹っ飛んで、スッキリとした気分」になり、気持ちが高揚してきます。
何も成し遂げている訳でもないのに、目標を立てると「2016年末時の成功した自分の姿」などが浮かんできてモチベーションが上がってくるのです。
即ち、「スッキリとした、気持ちを高揚させる為の決意」に元旦の計はなりがちなのですです。

 

 

しかし、実際に目標実現に向けては行動が必要になります。
実際に行動をしていくと、「こんなはずじゃなかった」と感じるような「思いもよらない出来事」が様々発生してきます。
現実は、目標達成に向けて行動しても、すぐに結果が出る方が希。

 

 

②時が経てば立つほど努力しても成果が出ない、行動しても喜ばれない等々、さらに目標に対し挫折しそうな出来事がどんどん出てきます。
本来、諦めずに行動継続していくことが目標実現には不可欠なはずなのに、モチベーションが下がり次第に行動をサボる日が増えてくる。
サボる日が増えてくると、「今年もさぼっちゃってんな」と自己嫌悪に陥り、「どうせいいや」と開き直り、目標から意識をそらすようになってくる。
最後には、元旦の時に計画を作った高揚感はすっかりと消え失せて、残るのは「やっぱり今年もダメだった」というモヤモヤと罪悪感だけになる。
そして、目標など忘れたように日常の中のルーチンのみにどっぷりと身を浸すことになるのです。

 

そしてまた年末を迎える。
「2016年の目標もまた思うようにならなかったな。」とモヤモヤした罪悪感を思い出す。
そして2017年の元旦。「2017年こそ素晴らしい1年にするぞ!」という決意し、気持ちがスッキリし高揚感に包まれることになるのです。
そして2017年も、数ヶ月経つと、同じことを繰り返すことになる。

 

 

 

 

このような「元旦の計がうまくいかない人達」から学べる、行動力を高めるヒントは2つあります。
①の場面に一つある。
年初の目標を立てるとき、「達成した成功した自分の姿」ばかりを描くのではなく、

  1. 達成する為にどんな困難が待ち受けているか?
  2. 行動し始めた時、最初からうまくいくだろうか?
  3. どんな誘惑に襲われ、行動を中断する可能性があるだろうか?
  4. 上記3点を踏まえた上で、どんな対策を実行していくか?

    をしっかり考えておくことにある。行動し始めた時に起こりうる可能性の高いリスクを想定しておき、事前に策を講じておくのです。
    そうしておけば、うまくいかない出来事に遭遇しても、簡単に挫折せず、行動を継続できるようになる。

 

 

もう一つのヒントは②の場面だ。
リスクを考慮して対策を打っていても、想定外の挫折はあるもの。(全てのリスクに対策は打てないのだから)
挫折を感じると、サボり心が出てくるのはしょうがありません。
大事なことは「どうせさぼっちゃったんだから、もういいや」と投げやりにならないことです。
「さぼった自分」に対して、自分を責め立て、自己嫌悪に陥らないことです。
自己嫌悪に陥ると、「どうせ…」と投げやりな気持ちが生まれるからです。それに対する対策として

  1. 「今日はさぼったけど、それまで○日間は頑張ってきたじゃない。よくやっているよ、」と、それまで行動してきた自分を認めてあげましょう。
  2. 冷静になり、「なぜ、行動を中断してしまったか?」分析してみましょう。同じ原因で、行動を中断してしまわないように対策を取り入れましょう。
  3. 最後に、「明日からは、また元旦の日の気持ちに戻り、これまで通り一日一日行動していこう」と、決意を新たにしていくのです。

 

 

まとめ
「元旦の計がうまくいかない人達」から学べる、行動力を高めるヒント

 

  1. 目標を立てる時、理想状態と実現方法ばかりを考えるのではなく、目標実現に向けて発生可能性の高いリスクと回避策も考えておく
  2.  挫折した時に「どうにでもなれ!」と投げやりになるのを防ぐ為に、自分に厳しく自己批判するのをやめ、冷静に行動をやめてしまった原因の分析を行う。
    そして、昨日迄の行動を肯定し、新たな気持ちで明日からの行動に望む。
Facebooktwittergoogle_plusredditpinterestlinkedinmailby feather

ビル・ゲイツに学ぶ問題解決型会議3ステージ

リーダーの役割として、会議運営があります。問題が発生したとき、リーダー独断で解決することは希。実際は、関係各所を集めて、会議で解決していくということの方が多いはず。

そのようなリーダーはファシリテーションテクニックなど覚えるべき技術はあるのですが、そのようなテクニカルな話の前に知っておくべきことは、そもそも「問題解決型会議」とはどのようなものなのか?ということです。

 

あなたの会社の会議は、「問題解決型の会議」になっていますか?

 

よく私も「何が決まったかよく分からない会議」に出くわす。時間ばかり、たくさんかかり、問題とその愚痴に終始してしまう間に時間が経ち、最後は「頑張ろう」で終わる会議。そして、次の会議になった時にも「問題は解決していない」という状況が繰り返される場面に出くわします。

 

あなたの会社の会議もそのようになっているとしたら、ビル・ゲイツのハーバード大の卒業スピーチが参考になるかもしれません。その中の話で、複雑な問題を解決する為のステージ(方法)に関して、彼は次のように話しています。

 

FIFTH EDITION:ビルゲイツによるハーバード卒業式の式辞全訳

複雑さを通り抜け、解決策を発見することは四つの予測可能なステージを通ります。つまり、目標を決めよ、最も影響力の高いアプローチを見つけよ、そのアプローチのための理想的なテクノロジーを発見せよ、そして、一方で、貴方達がすでに持っているテクノロジーの中で最もスマートなアプリケーションを作れ――それが薬剤のようなものであろうと、bednetのような単純なものであろうと、洗練されたものであろうとなかろうと。

 

ビル・ゲイツらしいと言えばそうだが発想が凄い。

通常問題解決のパターンと言えば

A 目標を定める (ここは一緒)

B 現状を把握し、「何が問題なのか?」を定義する

C 問題を生みだしている原因を明らかにする(問題点を見つける)

D 問題点を課題化していく(解決すべき課題は何か?)

E 解決策を具体化する

というのが一般パターンだ。

ビル・ゲイツもここまでは一般のパターンと同じなのだろう。

しかし普通の人と違うのはここから。

ビル・ゲイツは、解決策という一言で済ませてないのだ。

 

 

解決策を3つのプロセスに分解している事だ!

1.解決策の方向性を見つける

2.解決策の方向性を実現していく為に必要なテクノロジーを決定していく

3.解決策を具体的に進めていく為のアプリケーションを作れ

 

「アプリケーションまで決定していかなければ、複雑な問題は解決できない!」と彼は言っているのだ。

一般的な会議では、1の方向性を決めるステップで思考を停止してしまう。

2以降のテクノロジーやアプリケーションの決定ステップまでは、検討することなく終了する。だから、問題解決が中途半端で終わるケースが多いのだろう。

 

誤解していけないのは、2と3のステージの「テクノロジーとアプリケーション」を言葉通りに受け取らない事だ。言葉通りに受け取ると、これは「ITをどう使うのか?」と聞こえる。(これは我々がビル・ゲイツ=MSという固定概念があるからどうしてもそう聞こえる。)ここではITを使え、コンピューターを使えと言っているでではない。紙でも、ポストイットでも模造紙でも何でもいいのだ。

 

2の「テクノロジー」に関して考えてみるとどうだろう。
これは、解決する為に具体的にどんなツール(もの、既存技術・新技術)を使って、管理・実行していこうとするを決定しろということ。

例えば、時間管理に問題があるとする。

そんな時に、何で時間管理をするのかを決めろという事なのだ。PCもある。ネット利用もある。ノートもある。手帳もある。スマホもある。ポストイットもある。

そのようなハード的なものだけでなく、ソフト的なテクノロジーの部分もある。GTDを使うのか?7つの習慣を使うのか?マンダラを使うのか?あなたの問題に対して、どのツール(テクノロジー)を使う事が最も問題解決をしていく方法として相応しいかをまず決めろと言っているのだ。

 

 

次に3の「アプリケーション」に関して考えてみよう。

これは、何のコンピュータアプリケーションを使うかを決めろという事ではもちろんない。

最も効率よくする問題解決を図る為に、どう為に新しい業務プロセス(新業務フロー)にしていくべきか?を考えろ。その為のルールをきちんと決めろという事だ。

新しい業務プロセスを考える際、2つのルールを決める必要がある。

一つがタイムイベント発生時(時間になったら、自動的行う)業務ルール。

2つめが外部イベント発生時(周囲がある行動を起こした際に、自動的に行う)業務ルール

 

 

例えば、時間管理をPCとGTDというノウハウ。2つのツールを使って余暇時間を増やそうとしたいとする。

 

タイムイベント発生時の業務ルールという視点で捉えれば

・毎朝何をするのか?

・週間でのレビュールールは?

・月間、3ヶ月、1年ごとに何をするのかというルールは?という事。

外部イベントという視点で捉えれば、

・新しい仕事を上司から頼まれた際どうするのか?

・緊急事態発生時にどうするのか?

・オーバーブッキングになってきたらどうするのか?

・協同作業の仕事が発生したらどうするのか?

等という事。

これらについて最も効率的な業務プロセスを考え、ルールまで細かく決めていくということだ。

ここまで決めることがアプリケーションを作れ!ということ。アプリケーションまで決めておかなければ、複雑な問題は解決できないという事だ。

 

会議で決定するべきこととは、問題解決の方向性だけを決めればいいということではないのである。

1.解決策の方向性を見つける

2.解決策の方向性を実現していく為に必要なテクノロジーを決定していく

3.解決策を具体的に進めていく為のアプリケーションを作れ

会議をする際などに、是非参考にしていきたい言葉である。

結論を中途半端な解決策の検討だけで終わらせない。それだと時間の無駄になってしまう。

 

しっかりと、アプリケーションまで決めなければ、会議は終わらないのだ!

Facebooktwittergoogle_plusredditpinterestlinkedinmailby feather

部下の心を動かす!リーダーの超チューニング力

 

あなたは、日々関わっている全ての人とうまくいっていますか?

苦手な人はいませんか?

思うように動いてくれない人、気持ちが通じない人はいませんか?

「問題社員」「かなり個性的社員」「アウトロー社員」となっている部下はいませんか?

新著「人の心を動かすリーダーの超チューニング力」は、そんな人達への指導に苦慮しているマネジメント職の方を対象に、行動心理学に基づいた観点で部下のタイプ別に指導の考え方・接し方・導き方をアドバイスする一冊です。

この記事は、その書籍のダイジェスト版になっています。

マネジメント職向けに書いてはいますが、子育てや夫婦関係で悩まれている方にも役立つ内容になっていると思います。

 

1.「誠意を尽くせば分かって貰える」が通じないのはナゼ?

懸命に努力しても、誠意を持ってコミニケーションをとろうとしても、思うように相手が動いてくれないのはナゼでしょうか?

答えはシンプルです。

それはあなたと、相手のプロトコル(言葉・ルール等)が違っているからです。

 

英語しか話せないアメリカ人に対して、日本語で懸命に語りかけている姿を想像してもらえば分かりやすいと思います。

アメリカ人に日本語を話しても通じないのは分かるが「同じ日本人に日本語を話して、通じないなんてないだろう」と思われるかもしれません。

 

しかし性格が異なると、同じ言葉でも、あなたが考えている意味と、相手が捉えている意味が全く異なっている場合が多いのです。

例えば、「目標」という言葉を私達はビジネス用語でよく使います。全ての人が「目標」という言葉に対する捉え方は同じかと言えば違います。

 

例えば、「大言壮語とも思えるような大きな事にチャレンジする事に快感を感じる」という性格の上司の山田部長と、「地味なことでも、やると決めたことを一つずつ完璧に着実に実現していきたい!」という部下の前川さんの2人のケースで考えてみましょう。

 

山田部長は、目標という言葉を「目標とはチャレンジングなものでなければいけない。誰も越えたことがないような高いレベルのものでなければ目標とはいえない。」と捉えるでしょう。一方、前川さんは「目標を掲げたからには完璧に達成する責任がある。できもしないような目標をいい加減に立ててはいけない。」と捉えているでしょう。

 

同じ目標という言葉でも、相手の性格によって意味の捉え方が全く違うのです。

相手の性格を知り、どんなプロトコル使っているのか?をしっかりと知った上でなければ、同じ日本人でも日本語が通じなかったりする。これがトラブルを生み出す原因にもなってくるのです。

 

先の2人のケースのように、性格が異なる相手は使用しているプロトコルも違います。

しかしそのプロトコルの違いを、私達はつい無視してコミュニケートしようとしてしまう。結果、相手の真意をあなたは誤解し、相手はあなたの真意を誤解して受け取り、互いに期待とは異なる行動をとるという悪循環に陥ることになります。


 

 

2. 田中角栄に学ぶ、チューニング力の凄さ

世の中には、これらの悩みと無縁の「人の心を動かす達人」という方が存在します。彼らはこのプロトコルの違いを上手に乗り越えることができています。

例えば、田中角栄元総理などの話はその代表などではないでしょうか?大平元総理などは「田中とは一対一で会わずに複数で会うこと。一対一で会えば、必ず言うことを聞かされてしまう」と言うほど、人の心を動かす力が高かったようです。

 

気むずかしい政治家や官僚には、彼らのプロトコルに合わせて、難しい経済政策等をコンピュータ付きブルドーザーと言われるほどの能力を駆使し、数字を使って論理的に語り合う。そして自分を批判する敵まで関心させ、仲間にしていく。

一方、選挙区の田舎のおばぁちゃんに接する際は、彼女たちのプロトコルに合わせて、田んぼの泥水の中に革靴のまま入っていっていき、難しい話など一切せず、隣のおっちゃんのように気さくにおばぁちゃん達と冗談を言い合いながら、彼女たちの愚痴に耳を傾ける。相手の個性に合わせて様々に対応法を全く変えながら、異なるタイプの様々な人達を味方につけ、総理大臣にまでに登りつめたのです。

 

彼は自分のプロトコルに執着することなく、相手のプロトコルをしっかりと見抜き、相手のプロトコルに合わせて接し方を変えることで、様々な人の心を動かしてきたのです。

 

本書では、これを「チューニング力」と呼んでいます。

 

「自分のスタイルに固執せず、相手の個性に合わせて、対応法を少しずつ変えていく。」

という事です。

 

私達もこのチューニング力を全く持っていないかといえば、そうではありません。

あなたも、多くの相手にはこのチューニング力を発揮できているハズです。

ただ、苦手な相手、思うように動いてくれない相手、トラブルを抱えている相手、嫌いな相手を動かすだけのチューニング力までには高まっていないだけなのです

ではどうすれば、このチューニング力を更に高めることができるのでしょうか?


 

 

 

3. 天才の真似ってできるのか?凡人でも超チューニング力は身につくのか?

人は通常、「動物的なカン」により

・人のタイプをパターン分けし

・パターンに応じての対応法を整理し

・相手のパターンを見抜き、それに応じた対応法を変える

というチューニングの一連の行動を無意識に行っています。田中角栄元総理などは、超一流の動物的なカンによりこれが精緻に行われている。

 

動物的なカンを高めるというのは、現実、難しいものです。

では、それほど「動物的なカン」が優れていない私達がもっと「チューニング力」を高めるにはどうすればいいのでしょうか?

一般人である我々は、苦手な人、思うようにならない人に対しての悩みから開放されないまま生きていくしかないのでしょうか?

数十年前はそうだったのかもしれません。

 

しかし、今は違います。

動物的なカンのチカラ不足を補う方法として、心理学の成果を活用すれば、普通の人でも大幅にチューニング力をアップさせる事が分かってきました。

実際既に、臨床心理カウンセリングの現場ではこの活用は盛んに行われているのです。

具体的には、「人格適応論」という理論を活用するのです。


 

4.人格適応論の6適応タイプ。あなたのタイプは?

人格適応論は、人の性格を見極め、性格に合わせて信頼関係を構築する為の方法が体系化された心理学です。

人格適応論では、人の行動を6つの適応タイプに分類しています。それぞれの適応タイプは、生まれた時から持っており、更に乳幼児期に両親によって育まれ、さらに現在までの人生経験によって培われたものです。

 

このダイジェスト版では、6つの適応タイプについて代表的な特徴を紹介します。
(6タイプの心理学的背景はコチラで紹介。6タイプ別コミニケーションの特色はコチラで紹介)

 

 

➀哲学者型

(代表的性格特徴)

自分の心に引きこもり、空想や想像することが多い。一人きりを好み、他者に優しく思いやりがありますが、自分の欲求は後回しにしてしまいます。

〈代表的ポジティブな側面〉

黙々と働く、物静か、控え目

〈代表的ネガティブな特徴〉

コミュニケーション回避、黙る、あきらめる

(形成過程)

哲学者型は、養育者(親)が子どものことに心を砕く余裕が無かったために、親が当てにならなかったという養育環境で発達します

 

 

➁革命家型

(代表的性格特徴)

自分に利益になると思うと懸命に頑張ってくれる。チャレンジ精神が旺盛。

〈代表的ポジティブな側面〉

行動力がある、活動的、リーダーシップが強い

〈代表的ネガティブな特徴〉

優位に立とうとする、バカにする、目先だけを見た言動

(形成過程)

革命家型は、子どもが何かを望む前に、親が先回りして、子どもが望むと親が想像したものを与えるという養育環境で発達します。

 

 

➂任侠型

(代表的性格特徴)

自分の考えに固執し保守的で、自己管理を好み、敏感で明瞭な考えを持っています。

〈代表的ポジティブな側面〉

明晰な考え、緻密さ、注意深い

〈代表的ネガティブな特徴〉

誇張する、用心し過ぎ行動しない、疑い深い

(形成過程) 

任侠型は、同じようにふるまったとしても、ある時は受容的、ある時は拒否的であったという一貫性のない養育環境で発達します。

 

 

➃官僚型

(代表的性格特徴)

あらゆる出来事に責任を持とうとします。相手から認められるために完全にやろうと努力します。

〈代表的ポジティブな側面〉

責任感、良心的、明晰な考え

〈代表的ネガティブな特徴〉

こだわる、言い訳がましい、他者に批判的

(形成過程) 

官僚型は、子どもの存在そのものよりも、何かを出来たことを認められ、物事の達成を強調される養育環境で発達します。

 

 

➄発明家型

(代表的性格特徴)

好きか嫌いかのどちらかで反応します。

〈代表的ポジティブな側面〉

楽しいことなら懸命に行う、楽しい・笑う、人付き合いが上手

〈代表的ネガティブな特徴〉

やるべきことをやらない、不満を言う、人のせいにする

(形成過程) 

発明家型は、「ああしろ、こうしろ」と支配的・指示的に子どもをコントロールしようとする養育環境で発達します。

 

 

➅コンシェルジュ型

(代表的性格特徴)

周囲の人の気持ちに敏感で、人を喜ばせようとします。

〈ポジティブな側面〉

優しい、思いやりがある、親密な関わりを持つ

〈代表的ネガティブな特徴〉

感情的になる(泣く、責める)、不過剰な気遣いをする

(形成過程)

コンシェルジュ型は、子どもにかわいらしさや優しさを求める養育環境で発達します。

適応タイプは、一つだけでなく、複数該当する人もいるかもしれません。

 

 

 

 

あなたは、どの適応タイプに該当するでしょうか?

あなたの苦手な人はどの適応タイプに該当するでしょうか?

 

 

適応タイプが分かると、どうチューニングすると部下の心を動かし、より深い信頼関係を築き、彼を活かすことができるかが見えてきます。

本書の方では、あなたや、苦手な人がどんなタイプかをもっと実践的に分析できるように、更に詳細なタイプ別の性格特徴や、タイプ別の能力特徴も紹介しています。


 

 

5.部下の心を動かす為に必要な3つのチューニング力

適応タイプが分かったら、次に必要なことは、適応タイプに合わせてチューニングするという事です。

チューニングは対象者と目的により、チューニングすべき事は異なります。例えば

 

① 皆さんのパートナー(彼氏、彼女、旦那様、奥様)とより良い関係を目指す

→パートナーの適応タイプを見抜き、それに合わせコミニケーション法、日々の接し方をチューニングする。

② 営業マンが顧客にチューニングし売上アップを目指す

→ 顧客の適応タイプを見抜き、それに合わせて営業トーク、アプローチ法、お勧めする商品をチューニングする。

③ 部下が上司や同僚にチューニングをし、より生産的な関係を目指す

等です。

 

 

「人の心を動かすリーダーの超チューニング力」は、部下の心を動かしもっと高い生産性を実現する事を目指すことがテーマなので、部下の適応タイプに合わせてリーダーが行うべき3つのチューニング法に絞って紹介しています。

1. 部下の性格を活かすマネジメント法をチューニングする (マネジメントチューニング)

2. 部下の性格に合わせてやる気を引き出す方法をチューニングする (モチベーションチューニング)

3. 部下の性格に合わせて仕事の割り当てをチューニングする (仕事と能力チューニング)

 

 

このダイジェスト版では、そのうちの一つマネジメントチューニングをご紹介しましょう。

 

一つめの「部下の性格を活かすマネジメント法をチューニングする」とは、部下の適正タイプに合わせてマネジメント業務のやり方を調整していくことです。

どの会社にも共通する、リーダーがやるべきマネジメント業務を5つに分けると以下のようになります。

1. 部下と目標を共有する (目標を与える・目標を部下と作る)

2. 部下と計画を共有する (計画を与える、計画を部下と作る)

3. 部下の仕事のチェック・レビューを行う

4. 部下の教育を行う

5. 部下に日常業務の指示・命令を行う

 

この5つの業務は、どの部下に対してもワンパターンで行ってはうまくいきません。部下の性格に合わせてやり方を、少しずつチューニングしていくべき業務ということです。

例えば本屋さんに行けば、5の「指示命令」について書かれた本が沢山並んでいます。そこには沢山の原理原則が書かれていると思います。

しかしその多くは、全ての人に共通して使う事のできる原理原則ではないのです。

 


 

 

6.人を動かす成功の秘訣~カンタン!あなたの成功法、常識を捨てること。

例えば、「コンシェルジュ型の部下」と「革命家型の部下」への指示命令の与え方を考えてみましょう。

 

周囲の人の気持ちに敏感で、人を喜ばせようとする「コンシェルジュ型の部下」は優しく、思いやりがあり、上司とも親密な関わりを持ちたいという欲求が強いタイプ。このタイプに指示命令する際は、上司から受け入れられているかを非常に気にするので・・・

*単刀直入に「○○してくれ!」とトップダウン的な指示命令よりも、「○○をやってもらおうと考えているのだが、○○をやることについて君はどう思う?」と気持ちを聞きながら指示する方が効果的。メールなどで指示命令を行う際も、後で「あのメールの意味は分かった。うまくできると思う?」などとフォローを入れることが大切になる。

 

 

一方、チャレンジ精神が旺盛で、自分に利益になると思うと懸命に頑張ってくれる「革命家型の部下」は、行動力があり、活動的で、リーダーシップが強いタイプ。

このタイプに指示する際は、簡潔明瞭、制限を抑えた指示命令を求める。だから・・・

*「○○しなさい」「○○をしてくれ!」と明瞭に「やるべきこと」と「目的」だけを単刀直入にを指示命令することが効果的。

コンシェルジュ型の部下と違い「君はどう思う?」などと意見を聞く必要はない。本題とは逸れた気遣いは「余計で無駄なこと」ととられ逆効果になる。

 

 

このように適応タイプ別に、効果的な「指示・命令法」は全く逆と言える程違ってきます。

 

 

2つの適応タイプが上司部下の関係だったらと想像してみて下さい。上司が「革命家型の理想の指示・命令」をしても、コンシェルジュ型の部下から理解されない事は容易に想像できるでしょう。

あなたにもきっと「理想の指示・命令」があるはずです。しかしあなたの「理想の指示・命令」をしたからといって、部下の心に響くわけではないということです。

 

 

部下が求める「理想の指示・命令」をしてやらなければ部下の心は動きません。

相手の心を動かそうとすれば、他の4つのマネジメント業務についても「自分の常識」「自分が好むやり方」を一部捨て、相手の適応タイプに応じてチューニングしていく必要があるのです。

 

 

あなたは、苦手な相手の適応タイプに効果的なマネジメント法をご存じでしょうか?

これが分からないから、うまくチューニングができないのではないでしょうか?

ある意味これさえ分かれば、どんな人のマネジメントもできるハズなのです。

 

 

本書の方では、あなたがマネジメントチューニングするために必要な、6つの適応タイプ別に「どんなマネジメント法」を行えばいいか?を詳細に紹介しています。

更に、あなたがもっと効果的にモチベーションチューニング、仕事と能力チューニングを行えるように

* 6つの適応タイプ別に、どんなモチベーション法が効果的か?

* 6つの適応タイプ別に、性格的にどんな(仕事の)能力的な特色があるか?

も詳細に紹介しています。

 

本書を学ぶことで、相手を6つの適応タイプで分析できるようになり、苦手な部下でさえ、タイプに応じてどうチューニングをしていけばいいかが分かります。是非、あなたのチューニング力アップの為に、本書をご一読頂くことをお勧めします。

 

終わりに

ここまでのダイジェスト版を読まれ、もっと「チューニング力」について詳しく知りたいと思われたら、是非お近くの書店にて

「人の心を動かすリーダーの超チューニング力」(C&R研究所 刊)

のご購入を検討ください。(アマゾンでのご注文はコチラになります。)

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4863541252/favre21hatena-22/

最後まで、読んで頂きありがとうございました。

又、リーダーに対するだけでなく、セールスマン向けにも「チューニング力」アップに関するセミナー、研修等を弊社では行っております。ご興味のある方は、以下のページでお問い合わせ下さい。

http://www.venturmanagement.com/toiawase.html

 

(参考資料)

「人の心を動かすリーダーの超チューニング力」(C&R研究所 刊)

<目次>

●第1章 人の心を動かすチューニング力を磨く

●第2章 チューニング力不足が生み出す問題社員

●第3章 チューニング力の基となる「人格適応論」

●第4章 マネジメントチューニング力を磨く

●第5章 モチベーションチューニング力を磨く

●第6章 仕事と能力チューニング力を磨く

●第7章 もっと深くチューニング力を応用しよう

 

Facebooktwittergoogle_plusredditpinterestlinkedinmailby feather

人材育成上手になる為に身につけるべき7つのスキル

 

リーダーという人を育て、人に指示する立場にたった時に、最初にこれだけは覚えるべき7つの技術についてまとめています。覚えることはたくさんあるとは思いますが、これだけはという事に絞ってまとめてみました。

 

 

  1. やるべき行動、仕事の重要性、価値を伝える
    部下や後輩にやってもらいたい仕事が会社や部門にとって、「どれだけ重要なことなのか?価値があるのか?」をしっかり伝える事は、モチベーションを大きく左右してきます。「こんな仕事、なんで俺がしないといけないんだ」などと思わせたら、その時点で成長は止まってしまいます。

    どんな仕事にも、仕事として存在する限りは、「仕事の価値・重要性」があるはずです。もしないのであれば、その仕事を改めて誰かに教えるということよりも、その仕事をどうやめていくかを検討すべき話になっていくのでしょうから。

    例えば、「お客様へのお茶を出す」という仕事。この仕事を部下にさせる時、「はい、お茶くみの仕事が君の仕事の一つ。さぁ、やっておいて」として仕事をさせるというやり方もあるかと思います。それだけでは、お茶くみという仕事へのモチベーションはそんなに高くはならないと思います。「大学まで出た私が、なんで・・」なんて思われるのが当たり前なのかもしれません。

    そのような事にならない為には、「お客様へのお茶を出す」という仕事の価値をまず、しっかり伝える必要があるのです。
    単に「会社の召使いとしてお茶を出す」と認識している人と、「お茶を出す」をという仕事を「お客様への心配り、会社のサービス精神をお客様に最初に感じて頂く象徴的な行為、自分はファーストインプレッションイメージメーカーだ!」として「お茶を出す」と認識している人とでは、「お茶を出す」行為へのモチベーションが全く違ってきます。
    お茶の選び方、お茶のつぎ方、お客様への持っていきかた、お客様との会話の仕方、様々な工夫していくことがあるはずです。(伝説かホントか分かりませんが、石田三成豊臣秀吉からお茶の入れ方で目を付けられたそうですから、お茶くみ一つでも、凄い仕事なんですよね。)

    育てる立場になる人は、「仕事の価値、重要性」を、自らもしっかり整理して、それを伝えていく必要があります。
    「忙しい中で、そんなことまでできるか?」と感じる人もいるかもしれませんが、これをしっかり教える事ができれば、後の作業の手抜きができるのです。これができれば、人は勝手に育っていく部分もあるのです。

    人に「仕事の価値・重要性」を伝えるという作業を通して、自分自身のモチベーションアップにもつながるはずなのです。



  2. 本人にとって「やるべきメリット」を整理してやる
    1は、「その仕事をやる事が会社や社会にどれだけ貢献しているか?」という話です。次に、必要なのが、本人にとって、その仕事が「どれだけメリットがあるか」ということ。

    「どんな会社でも通用するような価値の高い人材になるために、その仕事はどう貢献していくか?」とか、「その会社で成功していくために、その仕事をやる事が、どう貢献していくのか?」という本人にとってのメリットを整理してやる事です。

    当然、そのためには、「本人がどのような事が望みなのか、夢を持っているのか?」を知っておく必要があります。その夢や望みに、その仕事がどう役立っていくのかを教えていく必要があるのです。 それが、単に「仕事はパットすませて定時で帰りたいとか、できるだけ給料を早く上げたい」とかそんな望みでもOKだと思うのです。

    その「夢・望み」と「やるべき仕事」の関係を整理して、説明してあげる事が大事になってきます。 ここまで伝える事ができれば、ホント、かなり高いモチベーションで仕事をしてもらえる事ができるハズです。



  3. 最終完成物の共通イメージを持つ
    仕事を指示する場合に、最終完成物のイメージが、頼んだ方と、頼まれた方が異なったものを持つ事ほど、後での不信感を醸成していくものはありません。
    頼んだ方は、「あいつは、バカと違うか?」と感じてしまいますし、頼まれた方は、「キチット説明して頼めよ。指示の要領が悪いヤツだ。」という不信感ですね。

    上司が「この資料、ポイントだけをまとめてきてくれ」と50枚程度の資料を渡して、指示したとします。その際、上司はA4で1枚程度にまとめて欲しいというイメージを持って頼んだけど、部下はA4で10枚程度にまとめることだと感じてしまったというケースですね。

    最終完成物を整理して、互いのイメージを確認するという、ほんのチョットした事がとても大切になってきます。



  4. 仕事のブレークダウンをしてやる
    「上司の指示、指導方法が不満」という原因の一つとして、大ざっぱな指示があると思います。特に、最初に仕事をしてくときは、何を行って良いのかが分かりません。

    目標や仕事を小分けにしてあげ、彼らがイメージをしやるいレベルにまで仕事をブレークダウンして、説明してあげる必要が最初には必要になってきます。



  5. 仕事のブレークダウンを身につけさせる
    ただ、いつまでも、それを上司がやっていけば、上司が忙しさで潰れてしまいますし、本人の能力アップにもつながりません。
    仕事を頼んだとき、まず、それを本人なりにブレークダウンをしてもらい、それをチェック、アドバイスしてあげることで、本人のブレークダウン能力を向上させていくことで、仕事力をアップさせていく必要があります。

    もうアドバイスする必要のない程のブレークダウン能力が最終的に身に付けば、上司としては、ホントに手のかからない、自分を助けてくれる最強の味方になってくれているはずです。



  6. レビューを必ず行ってあげる
    仕事をどんなに細かくブレークダウンしたつもりでいても、実際にやるのとは違います。
    やってみて、上手くいかないケースもあるでしょう。そんな時に、タイミングの良いアドバイスをしてあげる事が大事になってきます。
    そのためには、定期的なレビュータイムを作り、仕事の進捗状況を聞きながら、コーチングをしてあげる事も重要になってきます。
    この作業も、1~5までの作業が順調であれば、ほとんど、時間をとられないで済むはずです。
    レビュータイムを長くとらざる得ないということは、1~5までが上手くいっていない証になります。



  7. 達成感を感じさせてあげる
    評価してあげ、誉めてあげることで、人は、それについての真剣度が高まります。脳内にドーパミンを発生させ、学習強化させていくのです。

    そのためには、過去の状態を細かく記憶してあげておき、細かい形でゴールを決めてあげ、それについて評価してあげることも重要になります。この部分については、別のコラムで紹介していくことにします。
     

 

 

更に、ワンステップ上の教え方上手になるには、教える前に自分のことをしっかりと理解しておきましょう。

誰しも性格によって実は教え方やコミニケーションの癖があるのです。例えば、笑顔のコミニケーションが得意だったり、苦手だったり…

 

 

コミニケーションがうまくいかない相手は、実はあなたとは違うコミニケーションの癖があるのです。あなたの良かれと思った行動は、相手にとって不快な行動だったりするのです。

 

 

まず、自分の癖を知り、教える相手に合わせて癖を変えるという事が必要になってきます。自分の性格からくるコミニケーション特徴等は、弊社が提供する「ビジネス特化型の性格検査UPシステム」をご活用頂ければすぐに分かります。お気軽にお試し下さい。

 

 

Facebooktwittergoogle_plusredditpinterestlinkedinmailby feather

論理的な話が部下に通じない理由。 20のバイアス

論理的思考力や客観性を私達は、日々の仕事や学習でトレーニングをしています。しかし、こちらが論理的に話しても、部下に通じないことがよくあります。実際の私達の行動は、案外、論理的ではなかったりします。

 

それはなぜでしょうか?

 

その答えの一つがバイアスの存在です。

 

事実を目の前にして、私達はその事実をスンナリ受け入れるワケではなく、心理バイアスをかけてモノを見てしまう。(例えば同じカップラーメンを売っているスーパー。「定価120円が100円に」と書かれたAスーパーのカップラーメン。Bスーパーでは100円とただ値札のかかったカップラーメン。2つの店で買い物をした際、Aスーパーの方が得と感じてしまうのではないでしょうか?)

 

 

人は、論理的、合理的なようで、実は論理的ではないのです。バイアスがかかりながら、論理を考える生き物なのです。

 

部下とのコミニケーションする際に、単に論理的に正しいことを言ってもダメ。

 

よく、「論理的に考えればすぐに分かるような話なのに、どうしてアイツは違ったことをするのだろうか?」などと思うような出来事に出会うと思うのですが、そのような場合、部下にはバイアスがかかっているのです。

 

部下はどんなバイアスを持って、あなたの話を聞くのか?この事をしっかり考えながら、コミニケーションをしていくのが大事になってくるのす。

 

では、人はどのようなバイアスでモノを見ていくのか?どのようなバイアスに影響されて判断をしていくのでしょうか?

ここで、代表的なバイアスをご紹介。(行動経済学の中では、これから紹介する名前と違う表現になっていますが、私が、自分用にすぐに使えるように加工したモノをここでは紹介します。ご興味がある方は、また詳しく勉強してください。)

 

 

  1. 損失過剰評価バイアス
    得する話、利益額より、損する話や損失額の方に、人は敏感に反応していくバイアスがかかる



  2. 事前期待比較バイアス
    同じ給料が3万上がるにしても、今年は給料は上がらないだろうなという事前期待を持ったA君と、5万は給料アップするだろうと事前期待をしていたB君では、給料アップ3万という事実に関してのバイアスがかかる (相手の事前期待のコントロールの重要性)



  3. 損の確定は、先延ばしバイアス。利益の確定は、今すぐバイアス
    損する意志決定は、先延ばしをしてしようとしない。逆に、利益を得る話は、すぐに決めようとする。



  4. 数増加に伴う感覚麻痺バイアス
    一杯目のビールは美味しいが、10杯目のビールは・・
    数や経験量が増えてくると、感覚、感動が麻痺していく



  5. 損は、低確率に評価バイアス。得は、高確率に評価バイアス。
    悪い占いは外れることもあるさと思い、いい占いは当たると信じる。



  6. 低い発生確率は、過剰評価バイアス。高い発生確率になると、過小評価バイアス。
    新型インフルエンザも発生率が低い時は、過剰に警戒していた。しかし、近所で発生し、ほとんど避けることができない発生確率まで高まったら、気にしなくなった。それと同じ話ですね。



  7. 「みんな」バイアス。少数を全体バイアス
    子供がよく言う「みんなもやっている」。マスコミがよく言う「国民は」。ホントにみんななのか?全国民なのか?と論理的に考えれば、ツッコミを入れたくなるのですが、「みんな」と、少数の話を一般化して言われると、「そうなのか」とつい考えてしまいがちになります。



  8. 自己決定権優先バイアス
    誰かから与えられたものよりも、自分で決めたことの方が達成確率、成功確率を高く感じてしまうバイアス。(宝くじも、勝手に与えられたものより、自分が指定したモノの方が当たるような気がするというヤツ)



  9. 一貫ストーリーバイアス
    一貫したストーリー。一貫した論理的な話を聞くと、それをキチンと検証しようとせずに鵜呑みにしてしまうバイアス。



  10. 過去の努力をムダにしたくないバイアス
    過去に努力してきたもの、過去にたくさん投資をしたものについては、「もったいない」と思い、それを辞めることが損をしてしまうと考えるバイアス。(これから将来に損をする話であっても、過去の投資がもったいないと考えてしまう)



  11. 現状維持バイアス
    10とも関連するが、今のままではマズイとは分かっていても、現状を変えるということには抵抗を感じてしまうというバイアス。(余程のことがない限り、現状を変えようとはしない)



  12. 保有したものは、手放したくないバイアス
    一度保有したモノは、他人が思っている価値(客観評価)より、自分だけ高い価値を感じてしまうようになる(愛着バイアス)



  13. ポジティブフレーミングバイアス。ネガティブフレーミングバイアス
    一度、相手をポジティブな固定観念ができると
    、ポジティブな面ばかりが目に入ってくるようになる。逆に、ネガティブな固定観念がつくと、ネガティブな面ばかりが目に映り、客観評価ができなくなるというバイアス。



  14. 得するためなら、リスク回避趣向バイアス。損失回避のためなら、リスク選択趣向バイアス
    得する話は、早く得を確定したくなり、できる限りリスクを回避しようとする。
    逆に、損失が目の前にある場合は、それを避けようとする為のリスクを採ろうとする。
    できる営業マンは、相手にリスクのある提案は目の前にある損失にスポットライトを浴びせ、逆に、リスクのない提案は「得の」の部分を強調する。



  15. 間違った記憶バイアス
    「自分の記憶」は間違いないと、普通の人は思っている。しかし、これは間違い。記憶なんていい加減なもの。
    私達の記憶に残っているものは、「インパクトのある記憶」「なじみのある記憶」「最近の記憶」「第1印象」「具体的な記憶(五感に訴えられた記憶)」など、ごく僅かの記憶。それらの代表的な記憶しか覚えていない。それらの一部の記憶により、物事を判断しているにすぎない。



  16. 最初バイアス 最後バイアス
    何社かから競合プレゼンを受けた場合、記憶に残るのが、最初のプレゼンターと最後のプレゼンター。
    一つのプレゼンでも、プレゼンの最初の部分と最後の部分だけが強烈に記憶に残る。(間に話したことは、それ程記憶には残らない)



  17. 比較物バイアス
    バスケットボール選手と映っているあなたの写真。指輪物語のコビット?と映っているあなたの写真。当然、あなたの姿は、全く違って見えます。何と比較するかで、バイアスがかかる。



  18. 比較順番バイアス
    大福を食べた後にたべるスイカ。スイカの後に大福を食べる。食べる順番でスイカの味はバイアスがかかる。



  19. %バイアス 
    某石けんは、洗う成分の100%が植物成分と歌っている。一見、これは全てが植物成分で出来ていると勘違いするが、洗う成分の100%であり、全体の100%ではない。何を分母にするかで%は変わる。%は、一見分かりやすいが、計算式を教えて貰わなければバイアスがかかりやすい。



     

  20. 絶対値バイアス 
    宝くじは3億円の当選本数40本とか、絶対値をアピールしているので買いたくなる。確率が0.00001%なんて書いてあったらどうだろう。絶対値によるバイアスもある。

 

 

 

これらのバイアスが本来客観評価10のモノを13に感じさせたり、7に感じさせたりするのです。(悪用すれば、13に感じさせたり、7に感じさせることもできるということ)

 

 

上手にコミニケーションしたければ、正しいことを論理的に、客観的に伝えるだけではダメ。相手には、バイアスがかかっている事を理解しながら、伝えていくことも重要になるのです。

Facebooktwittergoogle_plusredditpinterestlinkedinmailby feather

人材育成は最初に教えることで決まる。 「教えられ上手になれ!」

人材育成を行っていく際、あなたの育成能力を向上させることはもちろん大切。

しかし同じ位大切になるのが、育成する人材に対して最初に「教えられ方」を教える事です。

 

 みなさんも自分の回りを眺めてみると、『どんどん教えて貰える人』と『全く教えて貰えない人』がいませんか?みなさん自身は、『どんどん教えて貰える人』と『全く教えて貰えない人』のどっちでしょうか?

実際、あなたが教える人材が「教えられ下手の人材か?教えられ上手の人材か?」であなたの教えることへの情熱も変わってくるでしょうし、育成効率も変わってくるはずです。

 

運良く、あなたの担当が「教えられ上手」な人材だといいのですが、そうとばかりは限りません。最近の人材は、教えて貰うことが当たり前と思っている人材が多いのも現実です。そのような教えられ下手の人材は自分の立場が分かっていません。

 

「教えるのが仕事の人達が差別をするなんてもってのほかだ。教える立場の人材は、自分を教える事に対して給料を貰っているのに!」と憤慨したりします。本来、そんな愚痴っている時間があるならば、『どんどん教えて貰える人』に自分がなる努力をしたほうが速いはずなのに、教える側への非難ばかりをする人材もいたりします。そんな人材を教育しなければいけないとなると、あなたも大変なことになるはず。

 

そのような事態を防ぐためにも、まずあなたが教えるべき「教えられ上手な人間になるための8つのこと」を整理してみました。こちらを最初に教えるようにしていきましょう。

 

  1. 楽しそうな表情
    暗い表情の人には、話しかける事も億劫になります。逆に、いつもにこやかな人、笑顔な人には気軽に声をかける事ができます。単純ですが、表情の違いは大きいモノです。いつも笑顔が出ている人の方が能力向上のチャンスも大きいモノです。表情を変えるだけで、周りから教えて貰える量が変わってきます。この楽しそうな表情のバックボーンには好奇心が重要になってくるとは思います。 
  2. 教えて欲しいと頼む率直さ
    私達にはプライドがあります。そのプライドが、「教えてくれますか?」という簡単な言葉を出しにくくさせてしまいます。教えて貰われ上手な人は、小さなプライドを捨て、素直に「教えてください。」と達人に頭を下げることができます。「もっと価値のある人間になる」という大きなプライドの為に、他人に頭を下げるという小さなプライドを捨てるという事が必要になるのでしょう。 
  3. 旺盛な好奇心
    何に対しても好奇心を持てる人は強いですよね。教える側は、興味がありそうに話を聞いてくれると、嬉しいモノ。どんどん秘密にしておくような事でさえも教えてあげたくなるモノです。そんな好奇心旺盛な人に、情報は集まってきます。 
  4. 素直さ
    教えて貰う際に、屁理屈ばかりを言う人がいます。(私もそうなんですが)
    確かに、疑問を持つことは「自分の頭で考えながら、人の話を聞いている」という事で素晴らしいとは思うのです。しかし「あいつは素直じゃない!」と思われると、次から教えて貰えなくなってしまいます。これは損です。その為には、教えて貰っている内容に疑問があっても、まずは素直に聞く。その後、「すみません。ここが分からなかったので教えて貰えませんか?」と聞いていくような工夫が必要になるのでしょう。
     
  5. 感謝心
    教えて貰った際の感謝心を持った態度が、次にまた教えて貰えるかどうかが決まってきます。相手に対する感謝心が、教えて貰いながら、教えてくれている人を気持ちよくする事ができるのです。
    「教えてくれるのが当然」という態度の人と「教えてくれた事を素直に喜んでくれる人」。どっちを教えたくなるかという事ですね。教えたことへの感謝の気持ち、喜んでくれた表情は、お金に匹敵するものがあると思うのです。(もちろん、お金の方が嬉しいですが(^_^))
     
  6. メモを取る等の教えて貰う際の真剣さ
    教えて貰っている時に、メモも何もしない人がいます。これでは、聞く側の真剣さが全く伝わりません。相手も貴重な時間を使ってくれています。「その貴重な時間を無駄にしないぞ」という姿勢は当然です。しっかり、メモをとり、最後に相手に教えて貰ったことを自分なりにまとめ、「最後に確認したいのですが、今教えて貰った事は○○だ」という事ですねと確認するような真剣な態度が求められるのではないでしょうか? 
  7. 一度教えて貰った事は、すぐ自分でトレーニング
    特に、技術系の事は、教えてもらうだけでは身に付きません。何度も繰り返し、同じ作業を繰り返していくことで初めて身に付く場合が多いモノです。そんな習慣がある人は、教える側の立場から言えば、教え甲斐のある人という事になってきます。逆に、聞く時は調子よく聞いているけど、自分でトレーニングせずに、同じ事を何度も聞いてくる人がいます。そんな人出会うと教える側はは「教える事のむなしさ」を感じる事になり、もう教えたくないと感じるものです。 
  8. 実行した結果は必ず報告&お礼
    実行した結果、成果に関しては必ず教えてくれた人に報告する人は、かわいがられます。この成果報告こそ、「教えた側」の報酬という事になります。「教えてよかった!」と実感できるのです。そして、「あなたのお陰で○○できました」という一言のお礼が、「こいつには、何度も教えたい」という気持ちにさせるものです。

 

 

 

『教えられ上手な人』になった方が、得になるに決まっていることを教えて上げてください。だけど、そうなる為の努力はやっている人は少ないことも。ちょっとした事でできる簡単な事ばかりなのに…

Facebooktwittergoogle_plusredditpinterestlinkedinmailby feather

リーダーの言いたい事は伝わっているか?知の呪縛とは。

 

「知の呪縛」とは、専門家や勉強好きの人が陥りやすい病。自分が詳しいために「相手も同じくらいに知っている」と勘違いしてしい事を進めてしまうことです。

 


この「知の呪縛」によって発生しているトラブルは、実に多いモノです。知の呪縛に陥ると、

  1. 「自分の発したいメッセージ」が伝わらない
  2. マーケット(コミニケーションの相手)が欲するものと違ったモノを提供してしまう

という事が発生してしまいます。

 


先日、ある農家の方から、「HPでネットショップを作ったので見てください」と頼ました。

見てみると、多いのが「知の呪縛に陥ったHP」。その農家は、みかん、ぶどうなどの果物が作られています。

HPの構成は、

・トップページ

・会社紹介のページ

・商品のページ(通販)

また、「みかん」のページを見ると、

・みかんの写真

・みかんの名前

・みかんの価格

 

これだけ角だけで、「売れる!」と思われていたのです。

その農家は、「無農薬」で丁寧に果物を育てておられ、とても珍しい品種を取り扱われているにも拘わらず、提供しているのはこの情報だけ。

「農家」の方は、専門家なので、果物やその育て方に関しては専門知識が我々より遙かに豊富。だからこそ、彼らは「そんなこと位、みんな分かっているだろう。」という感覚になっているのです。

 

 

知の呪縛に陥ってしまうと、

・どれだけ普通のみかんと違い、甘く、味が濃いのか?

・そのみかんをどれだけ大事に育てているのか?

・安全なみかん、美味しいみかんを作るために、どんな工夫を日々行っているのか?

という、本来伝えたいメッセージが全く伝わっていない状況に陥っているのが、気づかないのです。

 


専門家だから、「そんなの、みんな知っているだろう」という思い込みが原因。

同じような事は、新人や、できない社員の教育の際にもよく発生しています。

 

「こんな常識知っていて当たり前。」「こんなこと位できるだろう」という教える側が知の呪縛にかかってしまい、「彼らにとって肝心なこと」を教えないで済ましてしまう。
結果、彼らは思うような結果が出ず、教える側としては「なんで、あいつらは結果がでないんだろう。きっちり、必要なことは教えたのに」と悩んでしまう。

 

「よく勉強している人」ほど、教えるのがヘタだったりするのも同じ理由です。

 

 

また、クライアントからITベンダーが行う提案企画書のプレゼン会に参加するのですが、ここでも知の呪縛がよく見られます。ITベンダーさんは、3文字アルファベット(例えばCRMとかASP等)をよく使われるのですが、聴いているクライアントの社長は、意味がさっぱり分かっていません。

分かっていないのだけど、分かったフリをして聴いています。後で、社長「提案内容は分かりましたか?」と尋ねると、「全然、分からなかった。どうせ分からないと思ったから、同席してくれと頼んだんですよ。説明してください」等、よく言われます。

 

 

知の呪縛という事で、数年前「WEBでの集客」というテーマを頼まれた際での失敗例。

私は、もう「SEO対策」なんていう事などは、みなさんご存じだろうと思い、ブログを利用したマーケティングを中心に話を展開していました。しかし、どうもお客様の反応が鈍い。そこで、「このセミナーでSEO対策を知ることができると思って参加されている方」と質問してみると、80%くらいがそのようなお客様。危うく大失敗のセミナーになりそうでしたが、そこから軌道修正。なんとか満足いただけるセミナーになりました。チラシにもSEO等の言葉を載せていなかったのですが、このような結果。

「SEOなんて、ベテランの担当者なら、もう知っているだろう。いまさら、その話をしても・・」なんていう私の知の呪縛により、マーケットが欲するモノと違うモノを提供してしまいそうになりました。

 

 

同じような話が本。

今更、こんな事を書いてもみたいな本が実際は売れたりする。逆に、「こんなに詳しく書いてある専門書はない」と専門家からみると素晴らしいという本が売れなかったりします。

たくさん本を読んだり、勉強している人であればあるほど、知の呪縛にかかりやすいのです。専門分野の領域、得意分野であればあるほど、知の呪縛にかかりやすいのです。

 

 

みなさんも、仕事のプロ。仕事のプロの領域であればあるほど、専門知識が低い人と接する際は特に、「自分は知の呪縛に係っていないか?」と、自分のメッセージを再チェックする習慣が必要でしょうね。

 

「正しい答えを導き出す」ためには、専門知識が必要だが、「正しい答えを伝えようとする」際は専門知識が逆に邪魔するようになる。

 

知の呪縛から解放された人が、本物のプロ。金の取れるプロになるのでしょう。

Facebooktwittergoogle_plusredditpinterestlinkedinmailby feather

リーダーシップ発揮の為に知るべき心理学7つの基礎

上司、仲間、部下や後輩のモチベーションアップを考える前に、当然、彼らとの良い人間関係作りを行う必要があります。「あの後輩とはなかなか馬が合わない」とか、「あの上司はとにかく嫌い」などといって、人間関係を避けていても、何も前に進みません。

 

個人的感情はいろいろあるかとは思います。しかし、自分が効率よく仕事をこなしていこうとすれば、これらの人に足を引っ張られるワケにもいきませんし、うまく協力させていかなければなりません。

イヤな人でも、人間関係作りは、不可欠なテーマなのです。そこで、人間関係作りを考えていく際に、覚えておいた方がいい、心理学の基礎をご紹介。

 

  1. 返報性
    相手から何かをされると、私達は相手に何かを返してあげる必要性を感じます。特にルールはないにも拘わらず。私達は他人から「良い人」」と思われたいと思っています。他人から何かをもらったのに、それに対して何もお礼をしなければ、「悪い人」と思われるかもしれないという心理負担が生まれるのです。「お返しをしなければ」という事が相手のモチベーションになってくるのです。これを、良い人間関係作りに利用するという視点で捉えれば、「仲良くなりたい人には、まず何かを与えよ」という事ですね。「もの」でも「親切」でも何でもいいんですが、積極的にこちらから何かを与えるという事。相手が喜ぶことであれば、あるほどお返しをしなければという意識が強くなります。与え続ける事が、あなたへの心理的負担が大きくなり、「何かのお返しをしてやらなければいけない」と思い始めるのです。私の好きな言葉に「自利利他」という言葉があります。「自分の利益を考えたいならば、まず、相手の利益のことをしっかり考えなさい」というこの昔の言葉も同じような事を言っているのではないでしょうか?これが、利害の意識なく、自然にできるようになりたいものですね。


     

     

  2. 偏向の盲点
    私達は一度、思考のフレームワークを作ったり、自分のポリシーなどを他人に公表したりすると、そのポリシーに無理矢理合わせた情報収集を行っていくようになっていきます。逆にそのポリシーに合わない事実がでてきても、無視しようとする傾向がでてくるのです。一旦相手を好きになると、「好きを証明する事実ばかり」が目に入り、いっそうスキになる。一旦嫌いになると、「嫌いということを証明する事実ばかり」が目に入り、いっそう嫌いになる。逆に、好きになった人の「気に入らない事実」は目に入りにくくなり、嫌いになった人の「素晴らしい事実」は目に入りにくくなります。そのような意味で、ファーストインプレッションで、「どのような印象」を与えるかが、よい人間関係作りでは大切になってくるのです。「良い色眼鏡をかけさせる。」仕掛けを作っていきましょう。また、私達自身も、偏向の可能性があります。いったん、嫌いになった人の「素晴らしい事実」が目に入りにくくなっている可能性があります。嫌いが、更なる嫌いを生む悪循環が生まれます。良い人間関係を作るには、一度、冷静になって、嫌いな人の「素晴らしい事実」に目を向けていく必要があるのではないでしょうか?私達は、実は様々な色眼鏡をかけています。専門領域へのこだわり、過去の成功体験へのこだわり、自分が選択したものへのこだわり、今やっている仕事への執着等々。これらのこだわりが、事実にバイアスをかけて、歪んだ情報収集をしてしまうのです。相手はどんな色眼鏡をかけているのか、自分はどんな色眼鏡をかけがちになるのかを感じ取ることも、良い人間関係作りには大切になってきます。その眼鏡をかけている事を分かった上での、コミニケーションをとっていかなければ、どんなに正論を吐いても、相手からは屁理屈のようにしか聞こえないのです。


     

     

  3. 理屈より好き嫌いの感情
    人の物事の意志決定は、理屈よりも感情の好き嫌いで判断する事の方が多いモノです。好意を抱いている人の発言は信じようとしますし、そうでない人の発言は、それが正しくても信じて貰えなかったりします。人を説得しようという場合でも、論理的説得、プレゼンよりも、まず好きになってもらった方が、話は早いモノです。人が好意を持つモノとして次のようなものがあります。
    1. 外見
    2. 類似性(自分と似ている)
    3. お世辞
    4. 接触回数
    5. 協同作業の体験
    6. 既に好感を持っている人が互いの友人
    いったん、どれかで相手から好きになって貰うことができれば、そこからハロー効果が生まれます。その人物に際立った特徴(外見や職業)があると、そのイメージで他の面まで評価してしまう。これをハロー効果と言います。(後背効果、後光効果などとも呼ばれますが)これらを参考にしていただき、「まず好きになって貰う」ための戦略を作っていく事も重要になります。6つの視点の中で、相手が好きになってくれる為の方法を考えてみましょう。


     

     

  4. おなじみ効果
    これも、偏向の一つですが、私達は「おなじみ」に弱いモノです。よく、カタログなどにのっている定番品とか「今、大人気」とかいう言葉に私達が弱いのもこれです。「自分のまわり(社会、友人)にとっておなじみのもの」に、悪いモノはないハズという思い込みですね。
    もう一つのおなじみは、「自分にとってのおなじみ」。いつも自分がなじみに利用しているものに、悪いモノはないハズという思い込み。
    この思い込みを利用して、良い人間関係を作ろうとすると、いろんな方法が考えられます。

    仲良くなりたいと思っている人には、「長時間の面談時間ではなく、たくさんの回数合うことで、おなじみ感を作っていこう」とか。仲良くなりたい人に、自分の評判を共通の友人の口から行ってもらうなどの方法がでてきたりします。一度、なじみになれば、かなりのムリが効く関係になっていくのです。


     


  5. ハード・トゥ・ゲット・テクニック
    人は、「あなただけに」に弱いモノです。「希少性」ですね。相手を特別視していると思わせ、好意や信頼を獲得する方法を「ハード・トゥ・ゲット・テクニック」といいます。
    良い人間関係を作ろうとする際にも、これは大事になってきます。
    画一的なコミニケーションではなく、「あなただけに」が大きな好感を与えていくのです。「あなただけに言うのですが」とか「ここだけの話」をされるだけで、その人は、「あなたがいかに自分の事を重要視」しているかが分かるものです。
    「自分を重要視してくれる人」に好感を持たない人はいないのですから。



  6. ローボールテクニック、ドアインザフット
    「自分が決めたことには責任をとらなければいけない」と考える傾向人は強いものです。最初に提示された条件に予想外の変更が加えられたとしても、オカシイと考えずに、「一度OKしたから仕方ない」と考えてしまうのです。こうした心理を応用したのが、「ロー・ボール・テクニック」。ロー・ボール、まず受け取りやすい球をまず捕らせる。そうすれば次の難しい要求も受け入れざるを得なくなるという心理をついた話ですね。相手が認めやすい提案をして、承諾したら次々とオプションを要求していく方法。新人の育成なども、このローボールテクニックやドアインザフットを使っていった方がよいですよね。
    まずは、やりやすい仕事を慣れさせる。そして順次、難しい仕事を与えていく。そうする事で不安がなくなっていくものです。新しい人間関係作りの場合、いきなり難しい事を求めるのではなく、まずローボールテクニックから、始めていき、信頼関係を構築していきましょう。あなたへの「信頼」「好き」という色眼鏡を相手にかけてもらう事からスタートです。



  7. ピグマリオン効果
    ピグマリオン効果(英: pygmalion effect)とは、期待することで、相手がその期待に応えようとして努力するために、成績が向上する事である。逆に、期待しない事によって、成績が下がる事はゴーレム効果と呼ばれています。良い人間関係を構築しようとすれば、相手への「失望、憎しみ、怒り、あきらめ」は捨てていくしかありません。例えば、物凄く感じが悪い上司だとしても、その人と良い関係を築いていきたいという意志があれば、その人への「失望、憎しみ、怒り、あきらめ」は捨てていくしかありません。それを持っている限り、ゴーレム効果が働き、もっとあなたにとって都合の悪い人間関係になっていくのです。良い関係を築こうとすれば、まず「期待」を持つ事が重要になるのです。
Facebooktwittergoogle_plusredditpinterestlinkedinmailby feather

1月 12

元旦の計がうまくいかない人達から学ぶ 行動力を高めるヒント

あなたは行動力のあるタイプでしょうか?
行動力とは、「やると決めたこと」は納期までに必ずやり抜く力のことです。

 

行動力のある、なしも個性の一つです。
とは言え、ビジネスの世界では「自分の行動力がないのは、性格からくる個性だから仕方ない」で済まされません。
「行動力」が不要な仕事など存在しないからです。

 

ではどのようにして行動力は高めていけばいいのでしょうか?
方法はいくつかあります。
今回は正月ですので、「元旦の計がうまくいかない人達」からそのヒントを探していきましょう。

 

 

「1年の計は元旦にあり」という言葉があるように、正月休みの間に目標を作った方も多いのではないでしょうか?

 

私は1月2月までの間に、多くの社長さん達、人事の責任者の方々と新年会でお会いするのですが、その際に一つ質問をしてみます。
「元旦に作った計画は、結果は別にして順調に実行されていますか?」
さすがにまだ1月ですので「全く実行できていません。」という方はいませんが、多くの方が「実行できていますが、100%というわけではないですね。」等と言われます。
それが半年経って同じ質問をすると「恥ずかしながら、ほとんど実行できてません。何かと忙しくて」などと言われる方が8割程度になってきます。

 

 

なぜ「元旦に決意した決意」は実行されないのでしょうか?
その鍵は、そもそもなぜ多くの人は「元旦」に計画を作りたがるのか?にあります。

 

 

 

①「人は目標や計画を新たに作ろう」 とする場合の多くは、「今の状態から、新たに立ち上がろう!(抜けだそう)」ことが動機となります。
元旦に作る目標とは、「2015年の思うようにいかなかった状況から、2016年こそ素晴らしい1年にするぞ!」という決意です。
実は、この「決意」がくせ者。
「決意」をすることで、「2015年の数多くの挫折によって生まれたモヤモヤが吹っ飛んで、スッキリとした気分」になり、気持ちが高揚してきます。
何も成し遂げている訳でもないのに、目標を立てると「2016年末時の成功した自分の姿」などが浮かんできてモチベーションが上がってくるのです。
即ち、「スッキリとした、気持ちを高揚させる為の決意」に元旦の計はなりがちなのですです。

 

 

しかし、実際に目標実現に向けては行動が必要になります。
実際に行動をしていくと、「こんなはずじゃなかった」と感じるような「思いもよらない出来事」が様々発生してきます。
現実は、目標達成に向けて行動しても、すぐに結果が出る方が希。

 

 

②時が経てば立つほど努力しても成果が出ない、行動しても喜ばれない等々、さらに目標に対し挫折しそうな出来事がどんどん出てきます。
本来、諦めずに行動継続していくことが目標実現には不可欠なはずなのに、モチベーションが下がり次第に行動をサボる日が増えてくる。
サボる日が増えてくると、「今年もさぼっちゃってんな」と自己嫌悪に陥り、「どうせいいや」と開き直り、目標から意識をそらすようになってくる。
最後には、元旦の時に計画を作った高揚感はすっかりと消え失せて、残るのは「やっぱり今年もダメだった」というモヤモヤと罪悪感だけになる。
そして、目標など忘れたように日常の中のルーチンのみにどっぷりと身を浸すことになるのです。

 

そしてまた年末を迎える。
「2016年の目標もまた思うようにならなかったな。」とモヤモヤした罪悪感を思い出す。
そして2017年の元旦。「2017年こそ素晴らしい1年にするぞ!」という決意し、気持ちがスッキリし高揚感に包まれることになるのです。
そして2017年も、数ヶ月経つと、同じことを繰り返すことになる。

 

 

 

 

このような「元旦の計がうまくいかない人達」から学べる、行動力を高めるヒントは2つあります。
①の場面に一つある。
年初の目標を立てるとき、「達成した成功した自分の姿」ばかりを描くのではなく、

  1. 達成する為にどんな困難が待ち受けているか?
  2. 行動し始めた時、最初からうまくいくだろうか?
  3. どんな誘惑に襲われ、行動を中断する可能性があるだろうか?
  4. 上記3点を踏まえた上で、どんな対策を実行していくか?

    をしっかり考えておくことにある。行動し始めた時に起こりうる可能性の高いリスクを想定しておき、事前に策を講じておくのです。
    そうしておけば、うまくいかない出来事に遭遇しても、簡単に挫折せず、行動を継続できるようになる。

 

 

もう一つのヒントは②の場面だ。
リスクを考慮して対策を打っていても、想定外の挫折はあるもの。(全てのリスクに対策は打てないのだから)
挫折を感じると、サボり心が出てくるのはしょうがありません。
大事なことは「どうせさぼっちゃったんだから、もういいや」と投げやりにならないことです。
「さぼった自分」に対して、自分を責め立て、自己嫌悪に陥らないことです。
自己嫌悪に陥ると、「どうせ…」と投げやりな気持ちが生まれるからです。それに対する対策として

  1. 「今日はさぼったけど、それまで○日間は頑張ってきたじゃない。よくやっているよ、」と、それまで行動してきた自分を認めてあげましょう。
  2. 冷静になり、「なぜ、行動を中断してしまったか?」分析してみましょう。同じ原因で、行動を中断してしまわないように対策を取り入れましょう。
  3. 最後に、「明日からは、また元旦の日の気持ちに戻り、これまで通り一日一日行動していこう」と、決意を新たにしていくのです。

 

 

まとめ
「元旦の計がうまくいかない人達」から学べる、行動力を高めるヒント

 

  1. 目標を立てる時、理想状態と実現方法ばかりを考えるのではなく、目標実現に向けて発生可能性の高いリスクと回避策も考えておく
  2.  挫折した時に「どうにでもなれ!」と投げやりになるのを防ぐ為に、自分に厳しく自己批判するのをやめ、冷静に行動をやめてしまった原因の分析を行う。
    そして、昨日迄の行動を肯定し、新たな気持ちで明日からの行動に望む。
Facebooktwittergoogle_plusredditpinterestlinkedinmailby feather

Permanent link to this article: http://venturmanagement.com/column/?p=234

9月 08

社員の個性を最大活用する人事への変革

月刊人事マネジメントで連載した「社員の個性を活かす人事への変革に関する」レポートです。

 

Facebooktwittergoogle_plusredditpinterestlinkedinmailby feather

Permanent link to this article: http://venturmanagement.com/column/?p=228

9月 08

やる気の数値化による「やる気改革」の進め方

月刊人事マネジメントで連載した「やる気の数値化と、それに基づくやる気改革」に関する」レポートです。

Facebooktwittergoogle_plusredditpinterestlinkedinmailby feather

Permanent link to this article: http://venturmanagement.com/column/?p=221

3月 14

ビル・ゲイツに学ぶ問題解決型会議3ステージ

リーダーの役割として、会議運営があります。問題が発生したとき、リーダー独断で解決することは希。実際は、関係各所を集めて、会議で解決していくということの方が多いはず。

そのようなリーダーはファシリテーションテクニックなど覚えるべき技術はあるのですが、そのようなテクニカルな話の前に知っておくべきことは、そもそも「問題解決型会議」とはどのようなものなのか?ということです。

 

あなたの会社の会議は、「問題解決型の会議」になっていますか?

 

よく私も「何が決まったかよく分からない会議」に出くわす。時間ばかり、たくさんかかり、問題とその愚痴に終始してしまう間に時間が経ち、最後は「頑張ろう」で終わる会議。そして、次の会議になった時にも「問題は解決していない」という状況が繰り返される場面に出くわします。

 

あなたの会社の会議もそのようになっているとしたら、ビル・ゲイツのハーバード大の卒業スピーチが参考になるかもしれません。その中の話で、複雑な問題を解決する為のステージ(方法)に関して、彼は次のように話しています。

 

FIFTH EDITION:ビルゲイツによるハーバード卒業式の式辞全訳

複雑さを通り抜け、解決策を発見することは四つの予測可能なステージを通ります。つまり、目標を決めよ、最も影響力の高いアプローチを見つけよ、そのアプローチのための理想的なテクノロジーを発見せよ、そして、一方で、貴方達がすでに持っているテクノロジーの中で最もスマートなアプリケーションを作れ――それが薬剤のようなものであろうと、bednetのような単純なものであろうと、洗練されたものであろうとなかろうと。

 

ビル・ゲイツらしいと言えばそうだが発想が凄い。

通常問題解決のパターンと言えば

A 目標を定める (ここは一緒)

B 現状を把握し、「何が問題なのか?」を定義する

C 問題を生みだしている原因を明らかにする(問題点を見つける)

D 問題点を課題化していく(解決すべき課題は何か?)

E 解決策を具体化する

というのが一般パターンだ。

ビル・ゲイツもここまでは一般のパターンと同じなのだろう。

しかし普通の人と違うのはここから。

ビル・ゲイツは、解決策という一言で済ませてないのだ。

 

 

解決策を3つのプロセスに分解している事だ!

1.解決策の方向性を見つける

2.解決策の方向性を実現していく為に必要なテクノロジーを決定していく

3.解決策を具体的に進めていく為のアプリケーションを作れ

 

「アプリケーションまで決定していかなければ、複雑な問題は解決できない!」と彼は言っているのだ。

一般的な会議では、1の方向性を決めるステップで思考を停止してしまう。

2以降のテクノロジーやアプリケーションの決定ステップまでは、検討することなく終了する。だから、問題解決が中途半端で終わるケースが多いのだろう。

 

誤解していけないのは、2と3のステージの「テクノロジーとアプリケーション」を言葉通りに受け取らない事だ。言葉通りに受け取ると、これは「ITをどう使うのか?」と聞こえる。(これは我々がビル・ゲイツ=MSという固定概念があるからどうしてもそう聞こえる。)ここではITを使え、コンピューターを使えと言っているでではない。紙でも、ポストイットでも模造紙でも何でもいいのだ。

 

2の「テクノロジー」に関して考えてみるとどうだろう。
これは、解決する為に具体的にどんなツール(もの、既存技術・新技術)を使って、管理・実行していこうとするを決定しろということ。

例えば、時間管理に問題があるとする。

そんな時に、何で時間管理をするのかを決めろという事なのだ。PCもある。ネット利用もある。ノートもある。手帳もある。スマホもある。ポストイットもある。

そのようなハード的なものだけでなく、ソフト的なテクノロジーの部分もある。GTDを使うのか?7つの習慣を使うのか?マンダラを使うのか?あなたの問題に対して、どのツール(テクノロジー)を使う事が最も問題解決をしていく方法として相応しいかをまず決めろと言っているのだ。

 

 

次に3の「アプリケーション」に関して考えてみよう。

これは、何のコンピュータアプリケーションを使うかを決めろという事ではもちろんない。

最も効率よくする問題解決を図る為に、どう為に新しい業務プロセス(新業務フロー)にしていくべきか?を考えろ。その為のルールをきちんと決めろという事だ。

新しい業務プロセスを考える際、2つのルールを決める必要がある。

一つがタイムイベント発生時(時間になったら、自動的行う)業務ルール。

2つめが外部イベント発生時(周囲がある行動を起こした際に、自動的に行う)業務ルール

 

 

例えば、時間管理をPCとGTDというノウハウ。2つのツールを使って余暇時間を増やそうとしたいとする。

 

タイムイベント発生時の業務ルールという視点で捉えれば

・毎朝何をするのか?

・週間でのレビュールールは?

・月間、3ヶ月、1年ごとに何をするのかというルールは?という事。

外部イベントという視点で捉えれば、

・新しい仕事を上司から頼まれた際どうするのか?

・緊急事態発生時にどうするのか?

・オーバーブッキングになってきたらどうするのか?

・協同作業の仕事が発生したらどうするのか?

等という事。

これらについて最も効率的な業務プロセスを考え、ルールまで細かく決めていくということだ。

ここまで決めることがアプリケーションを作れ!ということ。アプリケーションまで決めておかなければ、複雑な問題は解決できないという事だ。

 

会議で決定するべきこととは、問題解決の方向性だけを決めればいいということではないのである。

1.解決策の方向性を見つける

2.解決策の方向性を実現していく為に必要なテクノロジーを決定していく

3.解決策を具体的に進めていく為のアプリケーションを作れ

会議をする際などに、是非参考にしていきたい言葉である。

結論を中途半端な解決策の検討だけで終わらせない。それだと時間の無駄になってしまう。

 

しっかりと、アプリケーションまで決めなければ、会議は終わらないのだ!

Facebooktwittergoogle_plusredditpinterestlinkedinmailby feather

Permanent link to this article: http://venturmanagement.com/column/?p=192

3月 12

部下の心を動かす!リーダーの超チューニング力

 

あなたは、日々関わっている全ての人とうまくいっていますか?

苦手な人はいませんか?

思うように動いてくれない人、気持ちが通じない人はいませんか?

「問題社員」「かなり個性的社員」「アウトロー社員」となっている部下はいませんか?

新著「人の心を動かすリーダーの超チューニング力」は、そんな人達への指導に苦慮しているマネジメント職の方を対象に、行動心理学に基づいた観点で部下のタイプ別に指導の考え方・接し方・導き方をアドバイスする一冊です。

この記事は、その書籍のダイジェスト版になっています。

マネジメント職向けに書いてはいますが、子育てや夫婦関係で悩まれている方にも役立つ内容になっていると思います。

 

1.「誠意を尽くせば分かって貰える」が通じないのはナゼ?

懸命に努力しても、誠意を持ってコミニケーションをとろうとしても、思うように相手が動いてくれないのはナゼでしょうか?

答えはシンプルです。

それはあなたと、相手のプロトコル(言葉・ルール等)が違っているからです。

 

英語しか話せないアメリカ人に対して、日本語で懸命に語りかけている姿を想像してもらえば分かりやすいと思います。

アメリカ人に日本語を話しても通じないのは分かるが「同じ日本人に日本語を話して、通じないなんてないだろう」と思われるかもしれません。

 

しかし性格が異なると、同じ言葉でも、あなたが考えている意味と、相手が捉えている意味が全く異なっている場合が多いのです。

例えば、「目標」という言葉を私達はビジネス用語でよく使います。全ての人が「目標」という言葉に対する捉え方は同じかと言えば違います。

 

例えば、「大言壮語とも思えるような大きな事にチャレンジする事に快感を感じる」という性格の上司の山田部長と、「地味なことでも、やると決めたことを一つずつ完璧に着実に実現していきたい!」という部下の前川さんの2人のケースで考えてみましょう。

 

山田部長は、目標という言葉を「目標とはチャレンジングなものでなければいけない。誰も越えたことがないような高いレベルのものでなければ目標とはいえない。」と捉えるでしょう。一方、前川さんは「目標を掲げたからには完璧に達成する責任がある。できもしないような目標をいい加減に立ててはいけない。」と捉えているでしょう。

 

同じ目標という言葉でも、相手の性格によって意味の捉え方が全く違うのです。

相手の性格を知り、どんなプロトコル使っているのか?をしっかりと知った上でなければ、同じ日本人でも日本語が通じなかったりする。これがトラブルを生み出す原因にもなってくるのです。

 

先の2人のケースのように、性格が異なる相手は使用しているプロトコルも違います。

しかしそのプロトコルの違いを、私達はつい無視してコミュニケートしようとしてしまう。結果、相手の真意をあなたは誤解し、相手はあなたの真意を誤解して受け取り、互いに期待とは異なる行動をとるという悪循環に陥ることになります。


 

 

2. 田中角栄に学ぶ、チューニング力の凄さ

世の中には、これらの悩みと無縁の「人の心を動かす達人」という方が存在します。彼らはこのプロトコルの違いを上手に乗り越えることができています。

例えば、田中角栄元総理などの話はその代表などではないでしょうか?大平元総理などは「田中とは一対一で会わずに複数で会うこと。一対一で会えば、必ず言うことを聞かされてしまう」と言うほど、人の心を動かす力が高かったようです。

 

気むずかしい政治家や官僚には、彼らのプロトコルに合わせて、難しい経済政策等をコンピュータ付きブルドーザーと言われるほどの能力を駆使し、数字を使って論理的に語り合う。そして自分を批判する敵まで関心させ、仲間にしていく。

一方、選挙区の田舎のおばぁちゃんに接する際は、彼女たちのプロトコルに合わせて、田んぼの泥水の中に革靴のまま入っていっていき、難しい話など一切せず、隣のおっちゃんのように気さくにおばぁちゃん達と冗談を言い合いながら、彼女たちの愚痴に耳を傾ける。相手の個性に合わせて様々に対応法を全く変えながら、異なるタイプの様々な人達を味方につけ、総理大臣にまでに登りつめたのです。

 

彼は自分のプロトコルに執着することなく、相手のプロトコルをしっかりと見抜き、相手のプロトコルに合わせて接し方を変えることで、様々な人の心を動かしてきたのです。

 

本書では、これを「チューニング力」と呼んでいます。

 

「自分のスタイルに固執せず、相手の個性に合わせて、対応法を少しずつ変えていく。」

という事です。

 

私達もこのチューニング力を全く持っていないかといえば、そうではありません。

あなたも、多くの相手にはこのチューニング力を発揮できているハズです。

ただ、苦手な相手、思うように動いてくれない相手、トラブルを抱えている相手、嫌いな相手を動かすだけのチューニング力までには高まっていないだけなのです

ではどうすれば、このチューニング力を更に高めることができるのでしょうか?


 

 

 

3. 天才の真似ってできるのか?凡人でも超チューニング力は身につくのか?

人は通常、「動物的なカン」により

・人のタイプをパターン分けし

・パターンに応じての対応法を整理し

・相手のパターンを見抜き、それに応じた対応法を変える

というチューニングの一連の行動を無意識に行っています。田中角栄元総理などは、超一流の動物的なカンによりこれが精緻に行われている。

 

動物的なカンを高めるというのは、現実、難しいものです。

では、それほど「動物的なカン」が優れていない私達がもっと「チューニング力」を高めるにはどうすればいいのでしょうか?

一般人である我々は、苦手な人、思うようにならない人に対しての悩みから開放されないまま生きていくしかないのでしょうか?

数十年前はそうだったのかもしれません。

 

しかし、今は違います。

動物的なカンのチカラ不足を補う方法として、心理学の成果を活用すれば、普通の人でも大幅にチューニング力をアップさせる事が分かってきました。

実際既に、臨床心理カウンセリングの現場ではこの活用は盛んに行われているのです。

具体的には、「人格適応論」という理論を活用するのです。


 

4.人格適応論の6適応タイプ。あなたのタイプは?

人格適応論は、人の性格を見極め、性格に合わせて信頼関係を構築する為の方法が体系化された心理学です。

人格適応論では、人の行動を6つの適応タイプに分類しています。それぞれの適応タイプは、生まれた時から持っており、更に乳幼児期に両親によって育まれ、さらに現在までの人生経験によって培われたものです。

 

このダイジェスト版では、6つの適応タイプについて代表的な特徴を紹介します。
(6タイプの心理学的背景はコチラで紹介。6タイプ別コミニケーションの特色はコチラで紹介)

 

 

➀哲学者型

(代表的性格特徴)

自分の心に引きこもり、空想や想像することが多い。一人きりを好み、他者に優しく思いやりがありますが、自分の欲求は後回しにしてしまいます。

〈代表的ポジティブな側面〉

黙々と働く、物静か、控え目

〈代表的ネガティブな特徴〉

コミュニケーション回避、黙る、あきらめる

(形成過程)

哲学者型は、養育者(親)が子どものことに心を砕く余裕が無かったために、親が当てにならなかったという養育環境で発達します

 

 

➁革命家型

(代表的性格特徴)

自分に利益になると思うと懸命に頑張ってくれる。チャレンジ精神が旺盛。

〈代表的ポジティブな側面〉

行動力がある、活動的、リーダーシップが強い

〈代表的ネガティブな特徴〉

優位に立とうとする、バカにする、目先だけを見た言動

(形成過程)

革命家型は、子どもが何かを望む前に、親が先回りして、子どもが望むと親が想像したものを与えるという養育環境で発達します。

 

 

➂任侠型

(代表的性格特徴)

自分の考えに固執し保守的で、自己管理を好み、敏感で明瞭な考えを持っています。

〈代表的ポジティブな側面〉

明晰な考え、緻密さ、注意深い

〈代表的ネガティブな特徴〉

誇張する、用心し過ぎ行動しない、疑い深い

(形成過程) 

任侠型は、同じようにふるまったとしても、ある時は受容的、ある時は拒否的であったという一貫性のない養育環境で発達します。

 

 

➃官僚型

(代表的性格特徴)

あらゆる出来事に責任を持とうとします。相手から認められるために完全にやろうと努力します。

〈代表的ポジティブな側面〉

責任感、良心的、明晰な考え

〈代表的ネガティブな特徴〉

こだわる、言い訳がましい、他者に批判的

(形成過程) 

官僚型は、子どもの存在そのものよりも、何かを出来たことを認められ、物事の達成を強調される養育環境で発達します。

 

 

➄発明家型

(代表的性格特徴)

好きか嫌いかのどちらかで反応します。

〈代表的ポジティブな側面〉

楽しいことなら懸命に行う、楽しい・笑う、人付き合いが上手

〈代表的ネガティブな特徴〉

やるべきことをやらない、不満を言う、人のせいにする

(形成過程) 

発明家型は、「ああしろ、こうしろ」と支配的・指示的に子どもをコントロールしようとする養育環境で発達します。

 

 

➅コンシェルジュ型

(代表的性格特徴)

周囲の人の気持ちに敏感で、人を喜ばせようとします。

〈ポジティブな側面〉

優しい、思いやりがある、親密な関わりを持つ

〈代表的ネガティブな特徴〉

感情的になる(泣く、責める)、不過剰な気遣いをする

(形成過程)

コンシェルジュ型は、子どもにかわいらしさや優しさを求める養育環境で発達します。

適応タイプは、一つだけでなく、複数該当する人もいるかもしれません。

 

 

 

 

あなたは、どの適応タイプに該当するでしょうか?

あなたの苦手な人はどの適応タイプに該当するでしょうか?

 

 

適応タイプが分かると、どうチューニングすると部下の心を動かし、より深い信頼関係を築き、彼を活かすことができるかが見えてきます。

本書の方では、あなたや、苦手な人がどんなタイプかをもっと実践的に分析できるように、更に詳細なタイプ別の性格特徴や、タイプ別の能力特徴も紹介しています。


 

 

5.部下の心を動かす為に必要な3つのチューニング力

適応タイプが分かったら、次に必要なことは、適応タイプに合わせてチューニングするという事です。

チューニングは対象者と目的により、チューニングすべき事は異なります。例えば

 

① 皆さんのパートナー(彼氏、彼女、旦那様、奥様)とより良い関係を目指す

→パートナーの適応タイプを見抜き、それに合わせコミニケーション法、日々の接し方をチューニングする。

② 営業マンが顧客にチューニングし売上アップを目指す

→ 顧客の適応タイプを見抜き、それに合わせて営業トーク、アプローチ法、お勧めする商品をチューニングする。

③ 部下が上司や同僚にチューニングをし、より生産的な関係を目指す

等です。

 

 

「人の心を動かすリーダーの超チューニング力」は、部下の心を動かしもっと高い生産性を実現する事を目指すことがテーマなので、部下の適応タイプに合わせてリーダーが行うべき3つのチューニング法に絞って紹介しています。

1. 部下の性格を活かすマネジメント法をチューニングする (マネジメントチューニング)

2. 部下の性格に合わせてやる気を引き出す方法をチューニングする (モチベーションチューニング)

3. 部下の性格に合わせて仕事の割り当てをチューニングする (仕事と能力チューニング)

 

 

このダイジェスト版では、そのうちの一つマネジメントチューニングをご紹介しましょう。

 

一つめの「部下の性格を活かすマネジメント法をチューニングする」とは、部下の適正タイプに合わせてマネジメント業務のやり方を調整していくことです。

どの会社にも共通する、リーダーがやるべきマネジメント業務を5つに分けると以下のようになります。

1. 部下と目標を共有する (目標を与える・目標を部下と作る)

2. 部下と計画を共有する (計画を与える、計画を部下と作る)

3. 部下の仕事のチェック・レビューを行う

4. 部下の教育を行う

5. 部下に日常業務の指示・命令を行う

 

この5つの業務は、どの部下に対してもワンパターンで行ってはうまくいきません。部下の性格に合わせてやり方を、少しずつチューニングしていくべき業務ということです。

例えば本屋さんに行けば、5の「指示命令」について書かれた本が沢山並んでいます。そこには沢山の原理原則が書かれていると思います。

しかしその多くは、全ての人に共通して使う事のできる原理原則ではないのです。

 


 

 

6.人を動かす成功の秘訣~カンタン!あなたの成功法、常識を捨てること。

例えば、「コンシェルジュ型の部下」と「革命家型の部下」への指示命令の与え方を考えてみましょう。

 

周囲の人の気持ちに敏感で、人を喜ばせようとする「コンシェルジュ型の部下」は優しく、思いやりがあり、上司とも親密な関わりを持ちたいという欲求が強いタイプ。このタイプに指示命令する際は、上司から受け入れられているかを非常に気にするので・・・

*単刀直入に「○○してくれ!」とトップダウン的な指示命令よりも、「○○をやってもらおうと考えているのだが、○○をやることについて君はどう思う?」と気持ちを聞きながら指示する方が効果的。メールなどで指示命令を行う際も、後で「あのメールの意味は分かった。うまくできると思う?」などとフォローを入れることが大切になる。

 

 

一方、チャレンジ精神が旺盛で、自分に利益になると思うと懸命に頑張ってくれる「革命家型の部下」は、行動力があり、活動的で、リーダーシップが強いタイプ。

このタイプに指示する際は、簡潔明瞭、制限を抑えた指示命令を求める。だから・・・

*「○○しなさい」「○○をしてくれ!」と明瞭に「やるべきこと」と「目的」だけを単刀直入にを指示命令することが効果的。

コンシェルジュ型の部下と違い「君はどう思う?」などと意見を聞く必要はない。本題とは逸れた気遣いは「余計で無駄なこと」ととられ逆効果になる。

 

 

このように適応タイプ別に、効果的な「指示・命令法」は全く逆と言える程違ってきます。

 

 

2つの適応タイプが上司部下の関係だったらと想像してみて下さい。上司が「革命家型の理想の指示・命令」をしても、コンシェルジュ型の部下から理解されない事は容易に想像できるでしょう。

あなたにもきっと「理想の指示・命令」があるはずです。しかしあなたの「理想の指示・命令」をしたからといって、部下の心に響くわけではないということです。

 

 

部下が求める「理想の指示・命令」をしてやらなければ部下の心は動きません。

相手の心を動かそうとすれば、他の4つのマネジメント業務についても「自分の常識」「自分が好むやり方」を一部捨て、相手の適応タイプに応じてチューニングしていく必要があるのです。

 

 

あなたは、苦手な相手の適応タイプに効果的なマネジメント法をご存じでしょうか?

これが分からないから、うまくチューニングができないのではないでしょうか?

ある意味これさえ分かれば、どんな人のマネジメントもできるハズなのです。

 

 

本書の方では、あなたがマネジメントチューニングするために必要な、6つの適応タイプ別に「どんなマネジメント法」を行えばいいか?を詳細に紹介しています。

更に、あなたがもっと効果的にモチベーションチューニング、仕事と能力チューニングを行えるように

* 6つの適応タイプ別に、どんなモチベーション法が効果的か?

* 6つの適応タイプ別に、性格的にどんな(仕事の)能力的な特色があるか?

も詳細に紹介しています。

 

本書を学ぶことで、相手を6つの適応タイプで分析できるようになり、苦手な部下でさえ、タイプに応じてどうチューニングをしていけばいいかが分かります。是非、あなたのチューニング力アップの為に、本書をご一読頂くことをお勧めします。

 

終わりに

ここまでのダイジェスト版を読まれ、もっと「チューニング力」について詳しく知りたいと思われたら、是非お近くの書店にて

「人の心を動かすリーダーの超チューニング力」(C&R研究所 刊)

のご購入を検討ください。(アマゾンでのご注文はコチラになります。)

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4863541252/favre21hatena-22/

最後まで、読んで頂きありがとうございました。

又、リーダーに対するだけでなく、セールスマン向けにも「チューニング力」アップに関するセミナー、研修等を弊社では行っております。ご興味のある方は、以下のページでお問い合わせ下さい。

http://www.venturmanagement.com/toiawase.html

 

(参考資料)

「人の心を動かすリーダーの超チューニング力」(C&R研究所 刊)

<目次>

●第1章 人の心を動かすチューニング力を磨く

●第2章 チューニング力不足が生み出す問題社員

●第3章 チューニング力の基となる「人格適応論」

●第4章 マネジメントチューニング力を磨く

●第5章 モチベーションチューニング力を磨く

●第6章 仕事と能力チューニング力を磨く

●第7章 もっと深くチューニング力を応用しよう

 

Facebooktwittergoogle_plusredditpinterestlinkedinmailby feather

Permanent link to this article: http://venturmanagement.com/column/?p=184

3月 12

人材育成上手になる為に身につけるべき7つのスキル

 

リーダーという人を育て、人に指示する立場にたった時に、最初にこれだけは覚えるべき7つの技術についてまとめています。覚えることはたくさんあるとは思いますが、これだけはという事に絞ってまとめてみました。

 

 

  1. やるべき行動、仕事の重要性、価値を伝える
    部下や後輩にやってもらいたい仕事が会社や部門にとって、「どれだけ重要なことなのか?価値があるのか?」をしっかり伝える事は、モチベーションを大きく左右してきます。「こんな仕事、なんで俺がしないといけないんだ」などと思わせたら、その時点で成長は止まってしまいます。

    どんな仕事にも、仕事として存在する限りは、「仕事の価値・重要性」があるはずです。もしないのであれば、その仕事を改めて誰かに教えるということよりも、その仕事をどうやめていくかを検討すべき話になっていくのでしょうから。

    例えば、「お客様へのお茶を出す」という仕事。この仕事を部下にさせる時、「はい、お茶くみの仕事が君の仕事の一つ。さぁ、やっておいて」として仕事をさせるというやり方もあるかと思います。それだけでは、お茶くみという仕事へのモチベーションはそんなに高くはならないと思います。「大学まで出た私が、なんで・・」なんて思われるのが当たり前なのかもしれません。

    そのような事にならない為には、「お客様へのお茶を出す」という仕事の価値をまず、しっかり伝える必要があるのです。
    単に「会社の召使いとしてお茶を出す」と認識している人と、「お茶を出す」をという仕事を「お客様への心配り、会社のサービス精神をお客様に最初に感じて頂く象徴的な行為、自分はファーストインプレッションイメージメーカーだ!」として「お茶を出す」と認識している人とでは、「お茶を出す」行為へのモチベーションが全く違ってきます。
    お茶の選び方、お茶のつぎ方、お客様への持っていきかた、お客様との会話の仕方、様々な工夫していくことがあるはずです。(伝説かホントか分かりませんが、石田三成豊臣秀吉からお茶の入れ方で目を付けられたそうですから、お茶くみ一つでも、凄い仕事なんですよね。)

    育てる立場になる人は、「仕事の価値、重要性」を、自らもしっかり整理して、それを伝えていく必要があります。
    「忙しい中で、そんなことまでできるか?」と感じる人もいるかもしれませんが、これをしっかり教える事ができれば、後の作業の手抜きができるのです。これができれば、人は勝手に育っていく部分もあるのです。

    人に「仕事の価値・重要性」を伝えるという作業を通して、自分自身のモチベーションアップにもつながるはずなのです。



  2. 本人にとって「やるべきメリット」を整理してやる
    1は、「その仕事をやる事が会社や社会にどれだけ貢献しているか?」という話です。次に、必要なのが、本人にとって、その仕事が「どれだけメリットがあるか」ということ。

    「どんな会社でも通用するような価値の高い人材になるために、その仕事はどう貢献していくか?」とか、「その会社で成功していくために、その仕事をやる事が、どう貢献していくのか?」という本人にとってのメリットを整理してやる事です。

    当然、そのためには、「本人がどのような事が望みなのか、夢を持っているのか?」を知っておく必要があります。その夢や望みに、その仕事がどう役立っていくのかを教えていく必要があるのです。 それが、単に「仕事はパットすませて定時で帰りたいとか、できるだけ給料を早く上げたい」とかそんな望みでもOKだと思うのです。

    その「夢・望み」と「やるべき仕事」の関係を整理して、説明してあげる事が大事になってきます。 ここまで伝える事ができれば、ホント、かなり高いモチベーションで仕事をしてもらえる事ができるハズです。



  3. 最終完成物の共通イメージを持つ
    仕事を指示する場合に、最終完成物のイメージが、頼んだ方と、頼まれた方が異なったものを持つ事ほど、後での不信感を醸成していくものはありません。
    頼んだ方は、「あいつは、バカと違うか?」と感じてしまいますし、頼まれた方は、「キチット説明して頼めよ。指示の要領が悪いヤツだ。」という不信感ですね。

    上司が「この資料、ポイントだけをまとめてきてくれ」と50枚程度の資料を渡して、指示したとします。その際、上司はA4で1枚程度にまとめて欲しいというイメージを持って頼んだけど、部下はA4で10枚程度にまとめることだと感じてしまったというケースですね。

    最終完成物を整理して、互いのイメージを確認するという、ほんのチョットした事がとても大切になってきます。



  4. 仕事のブレークダウンをしてやる
    「上司の指示、指導方法が不満」という原因の一つとして、大ざっぱな指示があると思います。特に、最初に仕事をしてくときは、何を行って良いのかが分かりません。

    目標や仕事を小分けにしてあげ、彼らがイメージをしやるいレベルにまで仕事をブレークダウンして、説明してあげる必要が最初には必要になってきます。



  5. 仕事のブレークダウンを身につけさせる
    ただ、いつまでも、それを上司がやっていけば、上司が忙しさで潰れてしまいますし、本人の能力アップにもつながりません。
    仕事を頼んだとき、まず、それを本人なりにブレークダウンをしてもらい、それをチェック、アドバイスしてあげることで、本人のブレークダウン能力を向上させていくことで、仕事力をアップさせていく必要があります。

    もうアドバイスする必要のない程のブレークダウン能力が最終的に身に付けば、上司としては、ホントに手のかからない、自分を助けてくれる最強の味方になってくれているはずです。



  6. レビューを必ず行ってあげる
    仕事をどんなに細かくブレークダウンしたつもりでいても、実際にやるのとは違います。
    やってみて、上手くいかないケースもあるでしょう。そんな時に、タイミングの良いアドバイスをしてあげる事が大事になってきます。
    そのためには、定期的なレビュータイムを作り、仕事の進捗状況を聞きながら、コーチングをしてあげる事も重要になってきます。
    この作業も、1~5までの作業が順調であれば、ほとんど、時間をとられないで済むはずです。
    レビュータイムを長くとらざる得ないということは、1~5までが上手くいっていない証になります。



  7. 達成感を感じさせてあげる
    評価してあげ、誉めてあげることで、人は、それについての真剣度が高まります。脳内にドーパミンを発生させ、学習強化させていくのです。

    そのためには、過去の状態を細かく記憶してあげておき、細かい形でゴールを決めてあげ、それについて評価してあげることも重要になります。この部分については、別のコラムで紹介していくことにします。
     

 

 

更に、ワンステップ上の教え方上手になるには、教える前に自分のことをしっかりと理解しておきましょう。

誰しも性格によって実は教え方やコミニケーションの癖があるのです。例えば、笑顔のコミニケーションが得意だったり、苦手だったり…

 

 

コミニケーションがうまくいかない相手は、実はあなたとは違うコミニケーションの癖があるのです。あなたの良かれと思った行動は、相手にとって不快な行動だったりするのです。

 

 

まず、自分の癖を知り、教える相手に合わせて癖を変えるという事が必要になってきます。自分の性格からくるコミニケーション特徴等は、弊社が提供する「ビジネス特化型の性格検査UPシステム」をご活用頂ければすぐに分かります。お気軽にお試し下さい。

 

 

Facebooktwittergoogle_plusredditpinterestlinkedinmailby feather

Permanent link to this article: http://venturmanagement.com/column/?p=168

3月 12

論理的な話が部下に通じない理由。 20のバイアス

論理的思考力や客観性を私達は、日々の仕事や学習でトレーニングをしています。しかし、こちらが論理的に話しても、部下に通じないことがよくあります。実際の私達の行動は、案外、論理的ではなかったりします。

 

それはなぜでしょうか?

 

その答えの一つがバイアスの存在です。

 

事実を目の前にして、私達はその事実をスンナリ受け入れるワケではなく、心理バイアスをかけてモノを見てしまう。(例えば同じカップラーメンを売っているスーパー。「定価120円が100円に」と書かれたAスーパーのカップラーメン。Bスーパーでは100円とただ値札のかかったカップラーメン。2つの店で買い物をした際、Aスーパーの方が得と感じてしまうのではないでしょうか?)

 

 

人は、論理的、合理的なようで、実は論理的ではないのです。バイアスがかかりながら、論理を考える生き物なのです。

 

部下とのコミニケーションする際に、単に論理的に正しいことを言ってもダメ。

 

よく、「論理的に考えればすぐに分かるような話なのに、どうしてアイツは違ったことをするのだろうか?」などと思うような出来事に出会うと思うのですが、そのような場合、部下にはバイアスがかかっているのです。

 

部下はどんなバイアスを持って、あなたの話を聞くのか?この事をしっかり考えながら、コミニケーションをしていくのが大事になってくるのす。

 

では、人はどのようなバイアスでモノを見ていくのか?どのようなバイアスに影響されて判断をしていくのでしょうか?

ここで、代表的なバイアスをご紹介。(行動経済学の中では、これから紹介する名前と違う表現になっていますが、私が、自分用にすぐに使えるように加工したモノをここでは紹介します。ご興味がある方は、また詳しく勉強してください。)

 

 

  1. 損失過剰評価バイアス
    得する話、利益額より、損する話や損失額の方に、人は敏感に反応していくバイアスがかかる



  2. 事前期待比較バイアス
    同じ給料が3万上がるにしても、今年は給料は上がらないだろうなという事前期待を持ったA君と、5万は給料アップするだろうと事前期待をしていたB君では、給料アップ3万という事実に関してのバイアスがかかる (相手の事前期待のコントロールの重要性)



  3. 損の確定は、先延ばしバイアス。利益の確定は、今すぐバイアス
    損する意志決定は、先延ばしをしてしようとしない。逆に、利益を得る話は、すぐに決めようとする。



  4. 数増加に伴う感覚麻痺バイアス
    一杯目のビールは美味しいが、10杯目のビールは・・
    数や経験量が増えてくると、感覚、感動が麻痺していく



  5. 損は、低確率に評価バイアス。得は、高確率に評価バイアス。
    悪い占いは外れることもあるさと思い、いい占いは当たると信じる。



  6. 低い発生確率は、過剰評価バイアス。高い発生確率になると、過小評価バイアス。
    新型インフルエンザも発生率が低い時は、過剰に警戒していた。しかし、近所で発生し、ほとんど避けることができない発生確率まで高まったら、気にしなくなった。それと同じ話ですね。



  7. 「みんな」バイアス。少数を全体バイアス
    子供がよく言う「みんなもやっている」。マスコミがよく言う「国民は」。ホントにみんななのか?全国民なのか?と論理的に考えれば、ツッコミを入れたくなるのですが、「みんな」と、少数の話を一般化して言われると、「そうなのか」とつい考えてしまいがちになります。



  8. 自己決定権優先バイアス
    誰かから与えられたものよりも、自分で決めたことの方が達成確率、成功確率を高く感じてしまうバイアス。(宝くじも、勝手に与えられたものより、自分が指定したモノの方が当たるような気がするというヤツ)



  9. 一貫ストーリーバイアス
    一貫したストーリー。一貫した論理的な話を聞くと、それをキチンと検証しようとせずに鵜呑みにしてしまうバイアス。



  10. 過去の努力をムダにしたくないバイアス
    過去に努力してきたもの、過去にたくさん投資をしたものについては、「もったいない」と思い、それを辞めることが損をしてしまうと考えるバイアス。(これから将来に損をする話であっても、過去の投資がもったいないと考えてしまう)



  11. 現状維持バイアス
    10とも関連するが、今のままではマズイとは分かっていても、現状を変えるということには抵抗を感じてしまうというバイアス。(余程のことがない限り、現状を変えようとはしない)



  12. 保有したものは、手放したくないバイアス
    一度保有したモノは、他人が思っている価値(客観評価)より、自分だけ高い価値を感じてしまうようになる(愛着バイアス)



  13. ポジティブフレーミングバイアス。ネガティブフレーミングバイアス
    一度、相手をポジティブな固定観念ができると
    、ポジティブな面ばかりが目に入ってくるようになる。逆に、ネガティブな固定観念がつくと、ネガティブな面ばかりが目に映り、客観評価ができなくなるというバイアス。



  14. 得するためなら、リスク回避趣向バイアス。損失回避のためなら、リスク選択趣向バイアス
    得する話は、早く得を確定したくなり、できる限りリスクを回避しようとする。
    逆に、損失が目の前にある場合は、それを避けようとする為のリスクを採ろうとする。
    できる営業マンは、相手にリスクのある提案は目の前にある損失にスポットライトを浴びせ、逆に、リスクのない提案は「得の」の部分を強調する。



  15. 間違った記憶バイアス
    「自分の記憶」は間違いないと、普通の人は思っている。しかし、これは間違い。記憶なんていい加減なもの。
    私達の記憶に残っているものは、「インパクトのある記憶」「なじみのある記憶」「最近の記憶」「第1印象」「具体的な記憶(五感に訴えられた記憶)」など、ごく僅かの記憶。それらの代表的な記憶しか覚えていない。それらの一部の記憶により、物事を判断しているにすぎない。



  16. 最初バイアス 最後バイアス
    何社かから競合プレゼンを受けた場合、記憶に残るのが、最初のプレゼンターと最後のプレゼンター。
    一つのプレゼンでも、プレゼンの最初の部分と最後の部分だけが強烈に記憶に残る。(間に話したことは、それ程記憶には残らない)



  17. 比較物バイアス
    バスケットボール選手と映っているあなたの写真。指輪物語のコビット?と映っているあなたの写真。当然、あなたの姿は、全く違って見えます。何と比較するかで、バイアスがかかる。



  18. 比較順番バイアス
    大福を食べた後にたべるスイカ。スイカの後に大福を食べる。食べる順番でスイカの味はバイアスがかかる。



  19. %バイアス 
    某石けんは、洗う成分の100%が植物成分と歌っている。一見、これは全てが植物成分で出来ていると勘違いするが、洗う成分の100%であり、全体の100%ではない。何を分母にするかで%は変わる。%は、一見分かりやすいが、計算式を教えて貰わなければバイアスがかかりやすい。



     

  20. 絶対値バイアス 
    宝くじは3億円の当選本数40本とか、絶対値をアピールしているので買いたくなる。確率が0.00001%なんて書いてあったらどうだろう。絶対値によるバイアスもある。

 

 

 

これらのバイアスが本来客観評価10のモノを13に感じさせたり、7に感じさせたりするのです。(悪用すれば、13に感じさせたり、7に感じさせることもできるということ)

 

 

上手にコミニケーションしたければ、正しいことを論理的に、客観的に伝えるだけではダメ。相手には、バイアスがかかっている事を理解しながら、伝えていくことも重要になるのです。

Facebooktwittergoogle_plusredditpinterestlinkedinmailby feather

Permanent link to this article: http://venturmanagement.com/column/?p=149

3月 12

人材育成は最初に教えることで決まる。 「教えられ上手になれ!」

人材育成を行っていく際、あなたの育成能力を向上させることはもちろん大切。

しかし同じ位大切になるのが、育成する人材に対して最初に「教えられ方」を教える事です。

 

 みなさんも自分の回りを眺めてみると、『どんどん教えて貰える人』と『全く教えて貰えない人』がいませんか?みなさん自身は、『どんどん教えて貰える人』と『全く教えて貰えない人』のどっちでしょうか?

実際、あなたが教える人材が「教えられ下手の人材か?教えられ上手の人材か?」であなたの教えることへの情熱も変わってくるでしょうし、育成効率も変わってくるはずです。

 

運良く、あなたの担当が「教えられ上手」な人材だといいのですが、そうとばかりは限りません。最近の人材は、教えて貰うことが当たり前と思っている人材が多いのも現実です。そのような教えられ下手の人材は自分の立場が分かっていません。

 

「教えるのが仕事の人達が差別をするなんてもってのほかだ。教える立場の人材は、自分を教える事に対して給料を貰っているのに!」と憤慨したりします。本来、そんな愚痴っている時間があるならば、『どんどん教えて貰える人』に自分がなる努力をしたほうが速いはずなのに、教える側への非難ばかりをする人材もいたりします。そんな人材を教育しなければいけないとなると、あなたも大変なことになるはず。

 

そのような事態を防ぐためにも、まずあなたが教えるべき「教えられ上手な人間になるための8つのこと」を整理してみました。こちらを最初に教えるようにしていきましょう。

 

  1. 楽しそうな表情
    暗い表情の人には、話しかける事も億劫になります。逆に、いつもにこやかな人、笑顔な人には気軽に声をかける事ができます。単純ですが、表情の違いは大きいモノです。いつも笑顔が出ている人の方が能力向上のチャンスも大きいモノです。表情を変えるだけで、周りから教えて貰える量が変わってきます。この楽しそうな表情のバックボーンには好奇心が重要になってくるとは思います。 
  2. 教えて欲しいと頼む率直さ
    私達にはプライドがあります。そのプライドが、「教えてくれますか?」という簡単な言葉を出しにくくさせてしまいます。教えて貰われ上手な人は、小さなプライドを捨て、素直に「教えてください。」と達人に頭を下げることができます。「もっと価値のある人間になる」という大きなプライドの為に、他人に頭を下げるという小さなプライドを捨てるという事が必要になるのでしょう。 
  3. 旺盛な好奇心
    何に対しても好奇心を持てる人は強いですよね。教える側は、興味がありそうに話を聞いてくれると、嬉しいモノ。どんどん秘密にしておくような事でさえも教えてあげたくなるモノです。そんな好奇心旺盛な人に、情報は集まってきます。 
  4. 素直さ
    教えて貰う際に、屁理屈ばかりを言う人がいます。(私もそうなんですが)
    確かに、疑問を持つことは「自分の頭で考えながら、人の話を聞いている」という事で素晴らしいとは思うのです。しかし「あいつは素直じゃない!」と思われると、次から教えて貰えなくなってしまいます。これは損です。その為には、教えて貰っている内容に疑問があっても、まずは素直に聞く。その後、「すみません。ここが分からなかったので教えて貰えませんか?」と聞いていくような工夫が必要になるのでしょう。
     
  5. 感謝心
    教えて貰った際の感謝心を持った態度が、次にまた教えて貰えるかどうかが決まってきます。相手に対する感謝心が、教えて貰いながら、教えてくれている人を気持ちよくする事ができるのです。
    「教えてくれるのが当然」という態度の人と「教えてくれた事を素直に喜んでくれる人」。どっちを教えたくなるかという事ですね。教えたことへの感謝の気持ち、喜んでくれた表情は、お金に匹敵するものがあると思うのです。(もちろん、お金の方が嬉しいですが(^_^))
     
  6. メモを取る等の教えて貰う際の真剣さ
    教えて貰っている時に、メモも何もしない人がいます。これでは、聞く側の真剣さが全く伝わりません。相手も貴重な時間を使ってくれています。「その貴重な時間を無駄にしないぞ」という姿勢は当然です。しっかり、メモをとり、最後に相手に教えて貰ったことを自分なりにまとめ、「最後に確認したいのですが、今教えて貰った事は○○だ」という事ですねと確認するような真剣な態度が求められるのではないでしょうか? 
  7. 一度教えて貰った事は、すぐ自分でトレーニング
    特に、技術系の事は、教えてもらうだけでは身に付きません。何度も繰り返し、同じ作業を繰り返していくことで初めて身に付く場合が多いモノです。そんな習慣がある人は、教える側の立場から言えば、教え甲斐のある人という事になってきます。逆に、聞く時は調子よく聞いているけど、自分でトレーニングせずに、同じ事を何度も聞いてくる人がいます。そんな人出会うと教える側はは「教える事のむなしさ」を感じる事になり、もう教えたくないと感じるものです。 
  8. 実行した結果は必ず報告&お礼
    実行した結果、成果に関しては必ず教えてくれた人に報告する人は、かわいがられます。この成果報告こそ、「教えた側」の報酬という事になります。「教えてよかった!」と実感できるのです。そして、「あなたのお陰で○○できました」という一言のお礼が、「こいつには、何度も教えたい」という気持ちにさせるものです。

 

 

 

『教えられ上手な人』になった方が、得になるに決まっていることを教えて上げてください。だけど、そうなる為の努力はやっている人は少ないことも。ちょっとした事でできる簡単な事ばかりなのに…

Facebooktwittergoogle_plusredditpinterestlinkedinmailby feather

Permanent link to this article: http://venturmanagement.com/column/?p=143

3月 12

リーダーの言いたい事は伝わっているか?知の呪縛とは。

 

「知の呪縛」とは、専門家や勉強好きの人が陥りやすい病。自分が詳しいために「相手も同じくらいに知っている」と勘違いしてしい事を進めてしまうことです。

 


この「知の呪縛」によって発生しているトラブルは、実に多いモノです。知の呪縛に陥ると、

  1. 「自分の発したいメッセージ」が伝わらない
  2. マーケット(コミニケーションの相手)が欲するものと違ったモノを提供してしまう

という事が発生してしまいます。

 


先日、ある農家の方から、「HPでネットショップを作ったので見てください」と頼ました。

見てみると、多いのが「知の呪縛に陥ったHP」。その農家は、みかん、ぶどうなどの果物が作られています。

HPの構成は、

・トップページ

・会社紹介のページ

・商品のページ(通販)

また、「みかん」のページを見ると、

・みかんの写真

・みかんの名前

・みかんの価格

 

これだけ角だけで、「売れる!」と思われていたのです。

その農家は、「無農薬」で丁寧に果物を育てておられ、とても珍しい品種を取り扱われているにも拘わらず、提供しているのはこの情報だけ。

「農家」の方は、専門家なので、果物やその育て方に関しては専門知識が我々より遙かに豊富。だからこそ、彼らは「そんなこと位、みんな分かっているだろう。」という感覚になっているのです。

 

 

知の呪縛に陥ってしまうと、

・どれだけ普通のみかんと違い、甘く、味が濃いのか?

・そのみかんをどれだけ大事に育てているのか?

・安全なみかん、美味しいみかんを作るために、どんな工夫を日々行っているのか?

という、本来伝えたいメッセージが全く伝わっていない状況に陥っているのが、気づかないのです。

 


専門家だから、「そんなの、みんな知っているだろう」という思い込みが原因。

同じような事は、新人や、できない社員の教育の際にもよく発生しています。

 

「こんな常識知っていて当たり前。」「こんなこと位できるだろう」という教える側が知の呪縛にかかってしまい、「彼らにとって肝心なこと」を教えないで済ましてしまう。
結果、彼らは思うような結果が出ず、教える側としては「なんで、あいつらは結果がでないんだろう。きっちり、必要なことは教えたのに」と悩んでしまう。

 

「よく勉強している人」ほど、教えるのがヘタだったりするのも同じ理由です。

 

 

また、クライアントからITベンダーが行う提案企画書のプレゼン会に参加するのですが、ここでも知の呪縛がよく見られます。ITベンダーさんは、3文字アルファベット(例えばCRMとかASP等)をよく使われるのですが、聴いているクライアントの社長は、意味がさっぱり分かっていません。

分かっていないのだけど、分かったフリをして聴いています。後で、社長「提案内容は分かりましたか?」と尋ねると、「全然、分からなかった。どうせ分からないと思ったから、同席してくれと頼んだんですよ。説明してください」等、よく言われます。

 

 

知の呪縛という事で、数年前「WEBでの集客」というテーマを頼まれた際での失敗例。

私は、もう「SEO対策」なんていう事などは、みなさんご存じだろうと思い、ブログを利用したマーケティングを中心に話を展開していました。しかし、どうもお客様の反応が鈍い。そこで、「このセミナーでSEO対策を知ることができると思って参加されている方」と質問してみると、80%くらいがそのようなお客様。危うく大失敗のセミナーになりそうでしたが、そこから軌道修正。なんとか満足いただけるセミナーになりました。チラシにもSEO等の言葉を載せていなかったのですが、このような結果。

「SEOなんて、ベテランの担当者なら、もう知っているだろう。いまさら、その話をしても・・」なんていう私の知の呪縛により、マーケットが欲するモノと違うモノを提供してしまいそうになりました。

 

 

同じような話が本。

今更、こんな事を書いてもみたいな本が実際は売れたりする。逆に、「こんなに詳しく書いてある専門書はない」と専門家からみると素晴らしいという本が売れなかったりします。

たくさん本を読んだり、勉強している人であればあるほど、知の呪縛にかかりやすいのです。専門分野の領域、得意分野であればあるほど、知の呪縛にかかりやすいのです。

 

 

みなさんも、仕事のプロ。仕事のプロの領域であればあるほど、専門知識が低い人と接する際は特に、「自分は知の呪縛に係っていないか?」と、自分のメッセージを再チェックする習慣が必要でしょうね。

 

「正しい答えを導き出す」ためには、専門知識が必要だが、「正しい答えを伝えようとする」際は専門知識が逆に邪魔するようになる。

 

知の呪縛から解放された人が、本物のプロ。金の取れるプロになるのでしょう。

Facebooktwittergoogle_plusredditpinterestlinkedinmailby feather

Permanent link to this article: http://venturmanagement.com/column/?p=137

3月 12

リーダーシップ発揮の為に知るべき心理学7つの基礎

上司、仲間、部下や後輩のモチベーションアップを考える前に、当然、彼らとの良い人間関係作りを行う必要があります。「あの後輩とはなかなか馬が合わない」とか、「あの上司はとにかく嫌い」などといって、人間関係を避けていても、何も前に進みません。

 

個人的感情はいろいろあるかとは思います。しかし、自分が効率よく仕事をこなしていこうとすれば、これらの人に足を引っ張られるワケにもいきませんし、うまく協力させていかなければなりません。

イヤな人でも、人間関係作りは、不可欠なテーマなのです。そこで、人間関係作りを考えていく際に、覚えておいた方がいい、心理学の基礎をご紹介。

 

  1. 返報性
    相手から何かをされると、私達は相手に何かを返してあげる必要性を感じます。特にルールはないにも拘わらず。私達は他人から「良い人」」と思われたいと思っています。他人から何かをもらったのに、それに対して何もお礼をしなければ、「悪い人」と思われるかもしれないという心理負担が生まれるのです。「お返しをしなければ」という事が相手のモチベーションになってくるのです。これを、良い人間関係作りに利用するという視点で捉えれば、「仲良くなりたい人には、まず何かを与えよ」という事ですね。「もの」でも「親切」でも何でもいいんですが、積極的にこちらから何かを与えるという事。相手が喜ぶことであれば、あるほどお返しをしなければという意識が強くなります。与え続ける事が、あなたへの心理的負担が大きくなり、「何かのお返しをしてやらなければいけない」と思い始めるのです。私の好きな言葉に「自利利他」という言葉があります。「自分の利益を考えたいならば、まず、相手の利益のことをしっかり考えなさい」というこの昔の言葉も同じような事を言っているのではないでしょうか?これが、利害の意識なく、自然にできるようになりたいものですね。


     

     

  2. 偏向の盲点
    私達は一度、思考のフレームワークを作ったり、自分のポリシーなどを他人に公表したりすると、そのポリシーに無理矢理合わせた情報収集を行っていくようになっていきます。逆にそのポリシーに合わない事実がでてきても、無視しようとする傾向がでてくるのです。一旦相手を好きになると、「好きを証明する事実ばかり」が目に入り、いっそうスキになる。一旦嫌いになると、「嫌いということを証明する事実ばかり」が目に入り、いっそう嫌いになる。逆に、好きになった人の「気に入らない事実」は目に入りにくくなり、嫌いになった人の「素晴らしい事実」は目に入りにくくなります。そのような意味で、ファーストインプレッションで、「どのような印象」を与えるかが、よい人間関係作りでは大切になってくるのです。「良い色眼鏡をかけさせる。」仕掛けを作っていきましょう。また、私達自身も、偏向の可能性があります。いったん、嫌いになった人の「素晴らしい事実」が目に入りにくくなっている可能性があります。嫌いが、更なる嫌いを生む悪循環が生まれます。良い人間関係を作るには、一度、冷静になって、嫌いな人の「素晴らしい事実」に目を向けていく必要があるのではないでしょうか?私達は、実は様々な色眼鏡をかけています。専門領域へのこだわり、過去の成功体験へのこだわり、自分が選択したものへのこだわり、今やっている仕事への執着等々。これらのこだわりが、事実にバイアスをかけて、歪んだ情報収集をしてしまうのです。相手はどんな色眼鏡をかけているのか、自分はどんな色眼鏡をかけがちになるのかを感じ取ることも、良い人間関係作りには大切になってきます。その眼鏡をかけている事を分かった上での、コミニケーションをとっていかなければ、どんなに正論を吐いても、相手からは屁理屈のようにしか聞こえないのです。


     

     

  3. 理屈より好き嫌いの感情
    人の物事の意志決定は、理屈よりも感情の好き嫌いで判断する事の方が多いモノです。好意を抱いている人の発言は信じようとしますし、そうでない人の発言は、それが正しくても信じて貰えなかったりします。人を説得しようという場合でも、論理的説得、プレゼンよりも、まず好きになってもらった方が、話は早いモノです。人が好意を持つモノとして次のようなものがあります。
    1. 外見
    2. 類似性(自分と似ている)
    3. お世辞
    4. 接触回数
    5. 協同作業の体験
    6. 既に好感を持っている人が互いの友人
    いったん、どれかで相手から好きになって貰うことができれば、そこからハロー効果が生まれます。その人物に際立った特徴(外見や職業)があると、そのイメージで他の面まで評価してしまう。これをハロー効果と言います。(後背効果、後光効果などとも呼ばれますが)これらを参考にしていただき、「まず好きになって貰う」ための戦略を作っていく事も重要になります。6つの視点の中で、相手が好きになってくれる為の方法を考えてみましょう。


     

     

  4. おなじみ効果
    これも、偏向の一つですが、私達は「おなじみ」に弱いモノです。よく、カタログなどにのっている定番品とか「今、大人気」とかいう言葉に私達が弱いのもこれです。「自分のまわり(社会、友人)にとっておなじみのもの」に、悪いモノはないハズという思い込みですね。
    もう一つのおなじみは、「自分にとってのおなじみ」。いつも自分がなじみに利用しているものに、悪いモノはないハズという思い込み。
    この思い込みを利用して、良い人間関係を作ろうとすると、いろんな方法が考えられます。

    仲良くなりたいと思っている人には、「長時間の面談時間ではなく、たくさんの回数合うことで、おなじみ感を作っていこう」とか。仲良くなりたい人に、自分の評判を共通の友人の口から行ってもらうなどの方法がでてきたりします。一度、なじみになれば、かなりのムリが効く関係になっていくのです。


     


  5. ハード・トゥ・ゲット・テクニック
    人は、「あなただけに」に弱いモノです。「希少性」ですね。相手を特別視していると思わせ、好意や信頼を獲得する方法を「ハード・トゥ・ゲット・テクニック」といいます。
    良い人間関係を作ろうとする際にも、これは大事になってきます。
    画一的なコミニケーションではなく、「あなただけに」が大きな好感を与えていくのです。「あなただけに言うのですが」とか「ここだけの話」をされるだけで、その人は、「あなたがいかに自分の事を重要視」しているかが分かるものです。
    「自分を重要視してくれる人」に好感を持たない人はいないのですから。



  6. ローボールテクニック、ドアインザフット
    「自分が決めたことには責任をとらなければいけない」と考える傾向人は強いものです。最初に提示された条件に予想外の変更が加えられたとしても、オカシイと考えずに、「一度OKしたから仕方ない」と考えてしまうのです。こうした心理を応用したのが、「ロー・ボール・テクニック」。ロー・ボール、まず受け取りやすい球をまず捕らせる。そうすれば次の難しい要求も受け入れざるを得なくなるという心理をついた話ですね。相手が認めやすい提案をして、承諾したら次々とオプションを要求していく方法。新人の育成なども、このローボールテクニックやドアインザフットを使っていった方がよいですよね。
    まずは、やりやすい仕事を慣れさせる。そして順次、難しい仕事を与えていく。そうする事で不安がなくなっていくものです。新しい人間関係作りの場合、いきなり難しい事を求めるのではなく、まずローボールテクニックから、始めていき、信頼関係を構築していきましょう。あなたへの「信頼」「好き」という色眼鏡を相手にかけてもらう事からスタートです。



  7. ピグマリオン効果
    ピグマリオン効果(英: pygmalion effect)とは、期待することで、相手がその期待に応えようとして努力するために、成績が向上する事である。逆に、期待しない事によって、成績が下がる事はゴーレム効果と呼ばれています。良い人間関係を構築しようとすれば、相手への「失望、憎しみ、怒り、あきらめ」は捨てていくしかありません。例えば、物凄く感じが悪い上司だとしても、その人と良い関係を築いていきたいという意志があれば、その人への「失望、憎しみ、怒り、あきらめ」は捨てていくしかありません。それを持っている限り、ゴーレム効果が働き、もっとあなたにとって都合の悪い人間関係になっていくのです。良い関係を築こうとすれば、まず「期待」を持つ事が重要になるのです。
Facebooktwittergoogle_plusredditpinterestlinkedinmailby feather

Permanent link to this article: http://venturmanagement.com/column/?p=160

古い記事へ «